流木墓場の番人2 | 海辺の家具屋のお話

海辺の家具屋のお話

海辺の工房で波の音を聞きながら家具を製作しています!

前回の続き

 

海岸浸食で砂浜が削り取られ防波堤代わりに大きな石を積み上げ金属のネットで固定された不思議な場所。

 

もちろん海水浴場ではないしサーフポイントでもない。

外房、内房と千葉の海は色々見てきたがこんな場所は初めてだ。

 

そして何箇所も墓標のように石を積み上げ流木を立たせていることから『流木墓場』と名付けたこの場所。

 

調査の結果この場所は釣り人が多く海釣ポイントのようだ。

そしてこの墓標のようなモニュメントは竿立てと判明した。

 

初めて訪れた時に出会った『流木墓場の番人』

 

番人の近くに1本の流木が突き刺さっていた。

 

良さげな形だな。

 

『すみません!この流木(竿立てとして)使ってますか?』

 

『使ってるよ!』と少し怒り気味で言われたので諦めた。

 

番人の近くで流木を拾い集めてると『何してるの?』と話しかけてきてくれた。

 

『私、家具屋をしていて流木を綺麗にしてお店に並べたら売れたので、流木拾いをしています』と答えると

『これ持って行っていいよ』と番人の脇に突き刺さっていた流木(竿立て)を譲ってくれた。

 

『あんちゃん、薪かなんか探してるのかと思ってさっきは断っちゃったよ』

と最初は怖い人かと思ったが意外に良い人のようだ。

 

『こうして転がっている流木をきちんと綺麗にしてあげるとお客さんが喜んでくれるんですよ。我ながら変な商売だなーと思います』と私が言うと『あんちゃんは偉いひとだなー』と番人に褒めて頂いた。