昨日は私の祖父の27回忌の法事でございました。

ま、法事っつったって、坊さんもこないし

身内だけで食事して、じいさんを偲んで話すくらいなんですけどね。


で、昨日は叔母が美味しいご飯をたくさん出してくれて

弟が買ってきた日本酒を美味しくいただき

もう、何にも入りませんって時に叔母が突然出してきた本


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「ザコ寝の人生」

著者 淀橋太郎


全然有名な本じゃないのでみなさんはおそらく知らないと思いますが

実はこの本

知る人ぞ知る、浅草の軽演劇時代の幕内の話がそりゃもう詳しく書かれた本なのです。


作者の淀橋太郎さんはずっと軽演劇とかレビューとかを書いていらした作家で

うちの祖父と親友だった人


私の祖父も淀橋さんと同様にあきれたボーイズ(坊屋三郎さんや益田喜頓さんがいたとこ)とか

森川信さん(初代「男はつらいよ」のおいちゃん)とかの

出演された脚本を書いて演出していたそうです。


祖父の名前は竹田新太郎。

ちなみに私のペンネームは竹田新

そうなんです。

私のペンネームはじいさんから拝借したんです。


で、話を聞いていると、うちの祖父は当時

どうやら売れっ子作家だったらしく

文部省からなんちゃらの賞ももらった事があるそうなんですよ。


もちろん祖父が若い頃、劇作家だった事は話しに聞いて知っていたのですが

私は晩年の、すでに鉄板焼き屋のオヤジになった祖父しか知りませんので

なにやら不思議な感じでしたね。


で、この「ザコ寝の人生」読み始めているんですがね

もうね、祖父の女遊びの事なんかも書いてあるわけですが

いいんですねえ。

だらしなくて、どうしようもない大人たちの話なんですけどね

なんかほのぼのしちゃうんですよね。


本の裏に田中小実昌さんが書いてある言葉がまたいいんです


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もし、タイムマシンなんてものが目の前にあったら

絶対にこの本の時代に戻って

じいさんやばあさん(ばあさんも女優なんです)と友達になって

朝まで飲み明かしたいですね。

私、自信があるんです。

絶対にじいさんやばあさんと同年代なら

仲のいい友達になれたって。


あ、今思い出した。

残念な事にじいさんもばあさんも下戸でしたね。


でも、いいんです。

じいさんはヒロポン打ちながら

ばあさんはタバコを吸いながら

私は酒を飲みながらゆっくり話がしたいなああ。


そんなじいさんの若い頃。

この本に載ってた写真です。


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私より、一番下の弟に似てるんですよね。


ああ、しかし昨日はいい一日でした。


なんかじいさんに感謝してます。


じいさんは私の事を「あ~たん」って呼んでました。

その「あ~たん」も43になり

小さい頃からずっとなりたかった女優さんになれて

SM嬢やったり、看護師長やったり、漁師の妻やったりしてます。

今では、完全な中年のオバハンになって

「あ~たん」なんて誰も、口が裂けても言ってくれませんが

毎日楽しく愉快でのんきに暮らしています。

あの頃、たくさん可愛がってくれてありがとう。


おじいちゃん

ありがとう