増税ではなく増収でこそ国は立ち直る。
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消費増税スキップしても実体経済に影響なし!
リスクは「増税利権に群がる人々」のみ①
(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40440)
自民党の谷垣禎一幹事長は13日のテレビ東京の番組で消費税率10%への引き上げについて、予定通りとして、その理由を「(税率を)上げた時のリスクは、まだいろんな手で乗り越えられるが、上げない時のリスクは打つ手が難しい」と述べた。
また、谷垣幹事長は12日に公明党の山口那津男代表や民主党の野田佳彦元首相と会合を持ったことを明らかにした。民主党の藤井裕久元財務相も同席したという。今会合は、消費増税を決めた「3党合意」当時の各党首であり、藤井元財務相もいるので、消費増税のアピールである。
一方、翌14日、安倍晋三首相は、NHKの番組で「経済は生きものだからニュートラルに考える」と述べ、増税するともしないとも言っていない。
3党合意同窓会ともいうべき当時の3党首+藤井氏は、財務省に完全に洗脳された人たちだ。その財務省の考え方をよく表しているものが財務省サイトにある。「財務大臣になって財政改革を進めよう」というゲームだ(→こちら)。
これは、中期財政計画(平成25年8月)における政府の財政健全化目標、つまり国・地方の基礎的財政収支について、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減、2020年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すをゲームにしている。
このゲームはホントにバカバカしい。実際にやってみれば数分で飽きるだろう。
「目標達成まであと●●兆円」と出る。そこで、目標達成のための手段としては、社会保障などの歳出の増減と税制改革という歳入の増減だけだ。歳出を減少させると基礎的財政収支はほぼその分改善する。歳出を増加させるとその逆だ。また、増税するとその分歳入が増加し、基礎的財政収支はほぼその分改善する。減税はその逆だ。
こうした単純な足し算・引き算だけでこのゲームはできている。歳出現状維持で「大増税」、すべての歳出大幅カットだと「増減税なし」となり、目標達成になる。大増税せず、一部歳出カットでは目標達成できない。要するに、何が何でも増税が必要であるというシナリオだ。
目標が達成できないと、おどろおどろしい画面が出てきて、最後に「目標を達成することが出来ませんでした。行政サービスの停滞など、将来世代にさらなる負担を残すことになりました」というナレーションが出てくる。

■「財務省ゲーム」のように単細胞思考な官僚たち
実際の財務官僚も、このゲームのような単細胞思考をしばしば行っている。というか、予算編成プロセスが、このような足し算・引き算の世界だ。だから、予算の世界では、増税はただちに予算上の歳入増となる。
しかし、実際の世界は違う。増税すれば経済が停滞することもある。その場合、課税対象が小さくなり、実際の歳入(=税率×課税対象)は少なくなることもよくある。これは、予算上の歳入増にもかかわらず決算上の歳入減となるわけだ。
この考え方を生かせば、増税と歳出カット以外に、金融政策で名目成長できれば目標達成もできるのに、財務省のゲームにはそれがないので面白くない。
このゲームのように、財務省にはマクロ経済という考え方が欠落している。税制を変えたらマクロ経済に影響があるというのは、一般社会では常識であるが、財務省の予算編成の中ではその常識はない。
筆者は、税率を上げたら歳入増になるという単細胞思考を批判するため、世間で商売をしている人なら誰でも知っていることを言う。
増税は税率の引き上げについて、一般社会で言えば、製品単価の引き上げに相当する。製品単価の引き上げは、売上数の減少を招くことがあるので、売上(=製品単価×売上数)の増加に結びつかないことを誰もが知っている。しかし、財務省の予算の世界ではその常識が通用しない。
要するに、財務省のゲームは、基礎的財政収支の改善のためには増税が必要と言いたいだけなのだが、それは予算の中の机上計算だけで通用するが、実際の社会では間違いだ。
では、実際の社会では、何が基礎的財政収支を決めるのだろうか。それは、過去のデータから数字が出ていて、1年前の名目経済成長率でほぼ決まる。これは、先週の本コラムに掲載しているものだが、また掲げておこう。

増税は経済成長を阻害するので、財政再建にとっては最善手でない。むしろ経済成長を鈍化させ、財政再建を遅らせるので悪手である。だから、筆者は、上記のデータとともに、増税しないで財政再建をほぼやり遂げた小泉政権の話をする(8月4日付コラム→「増税なき財政再建」は可能だ!政府にとって「不都合な事実」となっている小泉政権の実績)。
増税が財政再建に役立たないとすると、なぜ財務省は増税を言うのだろうか。それは、増税は財務官僚の「歳出権」を増大させるから、というのが筆者の仮説である(興味のある方は『財務省の逆襲 誰のための消費税増税だったのか』を参照)。
言ってみれば、増税は財務官僚の差配する金額を増やすからだ。この仮説で面白いほどに、いろいろな現象が説明できる。
例えば、多くの政治家は消費増税に賛成であるが、それは増税による予算のおこぼれにありつけるからだ。経済界も増税に賛成する人が多いが、それは法人税減税をバーターとして財務省が差し出すからだ。学者、エコノミストが消費増税を賛成するのは、財務省に逆らわない方が、親元の金融機関が外為資金の運用を出来るなど商売上有利になるからだ。マスコミが消費増税を推奨するのは、リークネタをもらいたいほかに、新聞の軽減税率を財務省からもらいたいためだ。
なお、脱線するが、先週の本コラムで朝日新聞から原稿を掲載拒否されたことを書いた。その理由は、朝日新聞批判ではなく、新聞業界が軽減税率を求めていて、それを「浅ましい」と書いたからだと、あるマスコミの人がこっそりと教えてくれた。新聞業界の軽減税率批判はタブーだと。
消費増税の賛同者は、その恩恵にあずかれるというのがポイントだ。ただ、逆を言えば、消費増税をスキップしても、そうした消費増税によるうまみを期待する欲深い人々は激怒するだろうが、実体経済には何の影響もない。利権がはげ落ちる程度だ。
つづく
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