10月31日から始まった「最大野党 民主党・反タクシン派」のデモですが、
4,5,6日と場所を中心部に移して行なわれ、本日7日も行なわれました。

恩赦法案に反対しデモ行進するチュラロンコン大学生ら(4日)

恩赦法案に反対しアソーク通りをデモ行進する学生(6日)
どうやら現政権(タクシン派)は、取り合えず今回は「恩赦法案」を諦めぎみの
ようですが、解散総選挙をチラつかせて上院議員を揺さぶってますので、11日
から審議の開始される上院の第1読会は注目です。
例によって、裁判官は早くも「法の精神に反し、悪しき前例を作ることになる」
として、修正恩赦案に反対を表明してます。
タクシン元首相らへの恩赦法案、与党折れ廃案濃厚
(http://www.newsclip.be/article/2013/11/07/19649.html)
タクシン元首相派の政権与党プアタイは6日、タクシン派と反タクシン派の
政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案が議会上院で
否決された場合、同法案を廃案にすると発表した。
恩赦に反対する街頭デモや世論の反発に屈した形で、恩赦法案は上院で否決され、
廃案になる可能性が高まった。
恩赦法案は上院が否決した場合、議会下院に送り返され、180日後以降に下院で
再可決された場合、国王の承認を経て、法律となる。
プアタイは今回、上院で否決された場合、下院で再可決しないと表明した。
タクシン元首相は2008年に汚職で禁錮2年の実刑判決を受け、以来、投獄を
避けるため、タイに帰国していない。恩赦法案はタクシン派の政府・与党が
元首相の帰国、復権を狙ったもので、今月1日、下院を通過し、上院に送られた。
法案に反対する反タクシン派の野党民主党はこれを受け、バンコク都内で
座り込みの抗議集会を開始。4日にはバンコク都心のビジネス街シーロム通りで
抗議集会が行われ、周辺の会社員など数千人が参加した。こうした集会は6日にも、
シーロム通り、ビジネス街のアソーク通りで行われた。
また、タイ国立ラチャパット大学スワンドゥシット校が10月29―31日に
バンコク首都圏の住民を対象に行った恩赦法案に関する世論調査では、回答者
(1134人)の58%が「いかなる種類の恩赦も行うべきではない」、
20%が「恩赦の対象は一般市民に限り、政治活動の指導者を含むべきではない」
と回答。タクシン政権(2001―2006年)の元閣僚、大学学長、
裁判官らからも相次いで恩赦に反対する声が上がった。
こうした状況を受け、タクシン元首相の妹のインラク首相は5日、恩赦法案の
可否は上院次第と発言。ニコム上院議長は同日、同法案を否決する考えを表明した。
インラク政権は2012年にも、同様の法律でタクシン元首相の免罪、帰国を
図ったが、民主党など反タクシン派の抵抗で失敗した。政府・与党が下院で
過半数を握りながら、タクシン元首相の帰国が実現しない背景には、与党内にも
ワンマン型である元首相の帰国に消極的な空気があるためという見方もある。
タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と、特権階級、
バンコクの中間層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治、社会が混乱
している。
反タクシン派はタクシン元首相を反王室の腐敗政治家と糾弾し、タクシン政権は
2006年、特権階級の意向を受けた軍事クーデターで崩壊した。2007年末の
民政移管選挙で発足したタクシン派政権も、反タクシン派デモ隊による首相府や
バンコクの2空港の占拠で追い込まれ、2008年末、裁判所命令で「選挙違反」
により政権を失った。
劣勢に立たされたタクシン派は
「特権階級が軍、司法を動かし、民主主義と法治をねじまげている」と主張し、
2009年、2010年と民主党連立政権打倒のデモを実施。2010年には
デモ隊と治安部隊の衝突で、91人が死亡、約2000人が負傷した。
2011年の下院総選挙ではタクシン派が再び勝利し、インラク氏が首相に
就任した。[newsclip]