今回の消費税増税決定に当たり「安倍総理VS木下財務次官」の戦いとして、
増税反対に声を上げた国民がおりました。
拙者もこの構図の拡散に微力ながら協力しました。

これに対し「官僚の個人名をあげるのは良くない」「攻めるなら大臣だ」という
意見があり、一部では、熱い論争も繰り広げられた様です。
現に拙者にもメッセージにてご意見を頂きました。

しかし、この度の様な活動(戦術)で、官僚も個人名で叩かれるようになりますと、
おいそれと悪法を成立させようとする愚行を少しは抑制する事も
出来るようになるのではないかと考え、拙者も賛同し動きました。
今後の為も考えての戦術です。

今までは、予算付けをチラつかせたり、スキャンダルリークを匂わせたりして、
国会議員を丸め込み、大手マスメディアを操り、都合が悪くなりますと、
「国民の皆様が選挙によって選ばれた国会議員の方達が決めた事ですから」と
責任から逃げる事が出来ましたが、この様な活動が広がれば、官僚も
直接叩かれますので、効果はあると思います。

政治家には、選挙の時に己の意志を表明する事が出来ますが、高級官僚の意図する
政策には、このようにしないと対抗する事は出来ないと考えたからです。

何年か前に流行った「○○省が」という叩き方は、間違っていると考えます。
あくまで組織のトップ、新聞で人事異動の時に名前が公表される人が、
条件である事は当たり前です。自宅住所などを公表するのは論外ですが。


増税決定前の記事ではありますが、「財務省・主計局・増税推進派」の悪行が
よく分かりますので、興味のある方はご一読を。


経済対策の財源は20兆円あり!消費税増税は不要だと分かる
(http://diamond.jp/articles/-/41869)

消費税増税については、10月に安倍総理が最終決断するとされているが、
増税の方向とされている。となると、増税による景気の腰折れ失速が懸念される。

そこで、規模は5兆円程度といわれている景気対策という流れになっている。
もっとも、9月13日、麻生太郎財務相は、経済対策では、基本的には国債発行を
しない方向で検討するとの認識を示した。

財政再建のために増税し、それでは景気が危ないからといって、補正予算を
組むだけでも、本末転倒だといわれそうだ。まして、その補正予算に財源が
足りないというので国債発行したら、それこそなんための増税かという声が
国民から怒りが出てくるだろう。それをなんとか回避したいために、財務省は
補正予算では国債発行したくないようだ。

補正予算は、10月15日から予定されている臨時国会には出さずに、来年、
通常国会の冒頭でという話も出ている。政府は消費税増税問題を今度の
臨時国会ではあまりやりたくないようだ。10月15日から開くというのも遅すぎる。

[補正予算の財源を考える]

いずれにしても、それほど大型補正予算を組むことが大変なのか。
補正予算の財源を考えてみよう。

まず、今年1月の2012年度補正を見てみよう。
一般会計で歳出総額10兆2027億円で、その財源として①税収2610億円、
②税外収入1495億円、③公債金5兆2210億円、④前年度剰余金受入8706億円、
⑤前年度剰余金受入(復興財源)1兆1165億円、⑥年金特例公債金2兆5842億円。
また、歳出のマイナス項目であるが、⑦既定歳出削減2兆0650億円がある。

1.税収(①)、2.国債(③、⑥)、3.税外収入(②)、
4.前年度剰余金(④、⑤)、5.既定歳出削減(⑦)が補正財源候補という
わけなので、それぞれを見ておこう。

1.税収

景気回復による自然増収。
景気回復局面での税収弾性値(GDPが1%増えた場合に税収が何%増えるかの
割合)は3程度なので、4~6期のように名目4%成長であれば、
年度ベースで4兆円以上の税増収が期待できる。
これから、補正財源となる税収は2兆円とみておこう。

2.国債

麻生大臣のいうとおり、国債は発行せずゼロとみておこう。
なお、12年度補正で国債は③と⑥で7兆8052億円だが、これにはからくりがあり、
実質ゼロだ。というのは、国債整理基金から7兆円を取り崩して市中国債の償還に
当てている。この分、市中国債残高が減っており、12年度補正での8兆円の
国債消化余力増になっている。つまり、国債発行というもの、実質的には、
埋蔵金である国債整理基金の取り崩しである。逆にいえば、国債整理基金の
取り崩しを行い、一般会計繰り入れにより税外収入を増やして補正財源に
したことと同じである。

3.税外収入

上の説明でわかるように、いわゆる埋蔵金を精査する必要があるなど、
ここには工夫の余地が多い。

2012年度の特別会計剰余金は35兆5211億円。このうち前倒し債などで必ずしも
財源とはいいにくいとされている国債整理基金特別会計を除くと13兆0719億円。
このうち積立金3兆8225億円、13年度当該特会の歳入7兆2222億円、
13年度一般会計の繰入1兆9633億円。積立金は一応「必要」なものとして
積み立てられているが、本当に必要かどうかをよく精査すべきだ。
これは、小泉政権の時に行われた「埋蔵金」である。
財政当局は必要だといいつつ、結果として40兆円の財源がひねり出せた。
ここでは、外為特会と財政投融資特会での積立金から1.5兆円をみておこう。

4.前年度剰余金受入

2012年度の一般会計剰余金1兆2952億円、復興分剰余金1兆1252億円。
合わせて2兆4202億円、まるめて2.4兆円。なお、一般会計剰余金は2分の1以上は
国債償還に使わなければいけないので、その特例のための特別法が必要である。
もっとも、そうした特例はしばしば制定されており、1980年以降でも7回もある
(1964、82、91、99、2000、02、10年度)。

5.既定歳出削減

13年度一般会計予算では、国債費22兆2415億円(内訳は債務償還費12兆3388億円、
利払費等9兆9027億円)。債務償還費は国債整理基金特別会計への定率繰り入れと
いう世界でもまれな制度のために必要だ。

世界標準並みに定率繰り入れを止めれば、財源とできる。
これまでも、1980年以降11回も定率繰り入れは日本でも停止したことがある
(1982~89年度、1993~95年度)が、それで問題になったことはない。
利払費では、予算積算金利が1.8%と市場金利より高めになっている。
これは少なくとも2兆円の財源捻出は容易だ。合わせて14.3兆円とみておこう。

これらをまとめると、税収2兆円、税外収入1.5兆円、前年度剰余金受入2.4兆円、
既定歳出削減14.3兆円、計20.2兆円となる。

[経済の腰折れより悪魔の選択]

筆者としては、皮肉を込めて、この程度の経済対策をやってもらってもいいと
思っている。もちろん、筆者が本コラムで主張してきたように、消費税増税は
止めた方がいい。しかし、財務省が仕組み、政治的にまともでない消費税増税を
やるならば、それをできるだけ中和し経済に悪影響をださないようにするのも、
やむを得ない。

庶民から増税してそれを大企業などの既得権者に族議員、官僚がばらまく姿は
どう考えても悪魔の選択であるが、経済の腰折れを防止するためには背に腹を
かえられない。

今回予定されている消費税増税幅は3%であるが、恒久措置である。
それへの対策はできれば恒久措置がよく、ベストなものは、ブラックジョークだが
3%の消費税減税である。

今回の消費税増税3%は恒久措置であるので年間8兆円となり、今後5年間だけを
考えても40兆円もの税収になる。今いわれている景気対策の5兆円は
一回きりなので、5÷40=6%しか還元していない。
マスコミは、5兆円の経済対策は、1年間だけを見て8兆円の税収のうち
5兆円を還元するので「実質1%」とかいっているが、これは全く間違いだ。

筆者のように20兆円の経済対策を10兆円づつ2年間でやれば、半分返しになる。
それでも、ドラマ「半沢直樹」の決め台詞“倍返し”には遠く及ばない。

補正予算は、国会で審議される。それが秋の臨時国会なのか、
来年の通常国会なのかは、まだわからないが、これだけ財源があれば、
それをまず使ってから、消費税増税すべきかどうかを議論できる。
補正予算の財源問題を追求することによって、景気の落ち込みを防ぐとともに、
この段階での消費税増税が本当に必要だったのかどうか、
国民の前に明らかになるだろう。
[高橋洋一の俗論を撃つ/DIAMOND online]


*10月3日「青山氏の話が気になったので」に記したが、文中にある
[マスコミは、5兆円の経済対策は、1年間だけを見て8兆円の税収のうち
5兆円を還元するので「実質1%」とかいっているが、これは全く間違いだ]
の指摘通り、有識者やエコノミストなどは、このカラクリに気付いています。
なのに、青山氏の話では、
「消費税(5%時)2%にあたる5兆円を経済対策を行うので、実質1%の
消費増税にすぎない。と総理自ら浜田内閣参与を説得した」
と、「政権中枢」から聞いた話として、青山氏はテレビで言っています。
こんな内容で、イェール大学名誉教授・浜田参与が納得するのであろうか。

推測でありますが、浜田参与は、竹中平蔵氏(現・産業競争力会議メンバー)と
考え方(規制緩和や法人税減税など)が似ているので、その辺の事を実施するからと
言って、納得してもらったのではないでしょうか。

青山氏は、政府関係者に利用されたのか。それとも分かった上で言っているのか。
はたまた、結論の為の理由付けだから、おかしな話になってしまったのか。
まっ、真偽の程は当事者でなくては分からない事ですが・・・