明治期に欧米文化の流入により、「欧米文化は素晴らしい」と言い、日本国は
日本語を捨て、第一言語を「英語に」とまで、訴える人々が居ました。
当たり前の事ですが、日本人の文化や精神性の破壊に危機感を抱いた人々が、
正しき道を示しました。

先の大戦・大東亜戦争で敗北した日本は、国際法に違反する占領国(主に米国)の
政策(憲法の押し付けやWGIPなど)で、長きに渡り培い、継承してきた「日本人」と
いうものを捨てさせられました。
しかし、未だ、根幹の部分まで変えることは出来ていないはずです。

安倍晋三氏は「日本を取り戻す」と言って、日本国の総理大臣に返り咲きました。
我々日本国民も今一度、先人たちを振り返り、「日本人」の良さを思い出し、
これからの世代に伝えていかなくてはならないのではないでしょうか。


評論家・屋山太郎 東京五輪を「武士道」で迎えたい
(http://sankei.jp.msn.com/life/news/130913/art13091303130000-n1.htm)

《世界の心動かす精神の発信を》

アベノミクスが成功の兆しを見せている中、2020年の夏季オリンピック
開催地に東京が決まった。長いトンネルを抜けて、出口の明かりがひときわ
輝いてきたように見える。開催までに7年の期間があれば、日本のことだから、
施設の整備や運営に怠りはないだろう。世界の人もそう信じていると思う。
しかし、東京オリンピックをただの運動会に終わらせてはならない。
世界の人心、文化を動かす精神を発信する絶好の機会だと心得るべきだ。

滝川クリステルさんは「お・も・て・な・し」の心を訴えたが「おもてなし」は
まさに日本の心の表現だ。これを日本人の女性的な表現だとすれば、
男性的な表現は「武士道」だろう。
この日本精神は今や国際的な普遍性をもって世界に広がっている。

日本のマンガは世界中に普及している。『ワンピース』というマンガは、
力を合わせて難局を乗り切ろうという趣旨で福島の被災地を勇気づけたが、
フランスでも大流行だという。数年前、フランスとスペインの国境にある
バスク地方の田舎町の本屋の店頭に、日本のマンガが平積みになっていた。
どうしてだろう。なぜだろうと考えさせられたことがある。

日本のアニメも国際的に大流行だ。各国のオーケストラにも日本人の団員が
多いのが目立つ。ソロで活躍している音楽家、歌手、ダンサーも数知れない。
日本料理も世界に浸透し、モスクワには寿司屋が900軒もあるそうだ。

日本人の誠実さも遍(あまね)く世界に知られている。50年も前のことだ。
ローマ駐在特派員を引き揚げるとき、家主から後釜に日本人を見つけて
入れてくれと懇願された。その熱心さを見て、古くから日本人は信用されている
のだなあと、祖先に感謝したものだ。

 《父と剣の師から教わったこと》

武士道といえば、佐賀の「葉隠れ」を思い浮かべる人が多い。
その神髄は「武士道とは死ぬことと見つけたり」で、戦時中、軍部がこれを
戦意高揚に利用したため、「死に急ぎの哲学」ともいわれた。
しかし、葉隠れの真髄(しんずい)は「武士はいつ死んでも悔いがないように
日々立派に生きよ」ということにある。進駐軍はこの葉隠れの精神を嫌って
剣道の競技まで禁じた。父は後年、
「アメリカ人はもっと他に良い生き方があると教えてくれるのかと思ったよ」と
笑っていた。

父は終戦の年の東京大空襲で顔面と手足を大やけどし、3カ月間も入院し、
私も家が焼けて居場所がないから同じ病室に寝泊まりして看病した。
終戦後、何カ月かたち、父に秘密を打ち明けた。
「一発で何百万人も殺すような爆弾を作ってお父さんと広島でやられた
20万人の仇(かたき)を取る」と。父は言ったものである。
「米国との戦争は終わったんだ。勝負がついたからには諦めろ。
仇を討(う)つよりは『潔い』ことの方が難しいんだよ」

大学生になって剣道が復活されたので、私は剣道部を創設し、夢中になった。
団体戦で先鋒(せんぽう)に出て勝ったときのこと。
席に戻って面を外したとき、嬉(うれ)しさがこみ上げてついにっこりと笑った。
その時、監督の師範から竹刀で思いっきり背中を叩(たた)かれ、耳元で
「笑うな! 負けた相手の心情を思いやれ」と言われた。惻隠の情である。
私は以上、たった2つの出来事で武士道の心を悟った。
この精神はあらゆる勝負事、立ち居振る舞いに通じるもので、克己心の深い意味も
知るようになった。
外国人が好む「クール・ジャパン」の本質も武士道ではないか。

 《武士道にはない韓国の対応》

職人の世界でなぜ日本だけに「匠(たくみ)」が多いのかという特集取材に
加わったことがある。4、5人の町工場の長がグループになって徹夜も
厭(いと)わず、精魂込めて製品を試作する。聞いてみると、請け負ったのは
そのうちの1社である。「儲(もう)けがないのになぜ一生懸命やれるのですか」
という問いに、「人が喜ぶのを見るのが嬉しいからだ」と町工場の社長は答えた。
これこそ、武士道の精神なんだあ、としみじみ思った。

「義を見てせざるは勇なきなり」という精神も武士道の柱の一つである。
それが廃れたからこそ、陰湿ないじめが流行(はや)ってきたのではないか。
「強きをくじき、弱きを助く」を実践したことがあるが、あれほど恐ろしかった
ことはない。が、2、3日経って満足感がこみ上げてきた。

日本は常時、世界の世論調査で最も好きな国の一つに挙げられる。
日本の文明、精神が人や芸術を通じて広く世界に受け入れられているからだろう。
日本の文化は宗教や文明の違いを超えて、普遍性を持っていると信じる。
東京オリンピックを通じて、日本は武士道、おもてなしの精神を発信し、
フェアで人類平等の楽しい価値観に尽くそうではないか。

最後に、どうしても付け加えたい。
韓国では「日本は五輪開催にふさわしくない」とメディアが煽(あお)り
開催地決定前日、政府が福島など8県の水産物禁輸を発表した。
この汚い手口は武士道にはない。
[msn 産経ニュース]