エベレスト。標高8,848m。世界最高峰。
その山には回収されない遺体がたくさん眠るという。
1992年。登山家であるロブ・ホールが商業登山を開拓した。
1996年。スコット・フィッシャー隊なども続き、多くの遠征隊が押し寄せる山となった。
この1996年、5月11日。ロブ・ホール、スコット・フィッシャー共に遭難死。
ロブ・ホールの顧客の中には日本人の難波康子さんもいた。難波康子さんも、エベレスト登頂後下山時に遭難、5月11日遺体が発見されている。
その事実に基づいた映画『エベレスト』を見たことがきっかけで、山岳系の映画をよく見るようになった。
それ以前には『八甲田山』も見ていたが、そこまでのめり込まなかった。
標高が8,000mを超えるという、体力とか精神力とか、自分自身でどうにかできる範囲を超えてしまうそのデス・ゾーン。
私は人間の肉体が死にゆくその場所に深く興味を持ってしまったのだろうか。
で、昨日書いた「山に登り 山になった」という言葉は、同じエベレストでの実話をもとにした『ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆』という映画のワンシーン。
後輩の遺体を連れて帰りたいという主人公を説得するための言葉だった。
「山に登り 山になった」
その瞬間私は涙がぼろぼろこぼれた。
山とはそういうものなのだと思う。
少し前に息子が屋久島の登山ガイドの番組を見て「いいな~ 俺も山登りたいな」と言った。
私は黙っていた。複雑なのだ。
自分は山に行くけれど、家族が山に行くとなれば正直心配する。
知らぬが仏ならいいけれど、山の危険を知っていれば帰りを待つ家族は不安な想いをしているのだ。
自分も家族にそのような不安な想いをさせているのだということを、頭に入れておかなければいけないなと、ふと思う。
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こういうのだよーっというだけで貼っています。