今期のイカナゴ漁 大阪湾は初の休漁
兵庫県の水産技術センターは、年末~年始のイカナゴの漁況調査を進めてきた。
2月19日に漁況予報を発表した。
「今漁期の産卵量は、低水準であった昨年を大きく下回り、稚仔の分布量は 3 海域(播磨灘、大阪湾、紀伊水道) とも昨年を下回った。これらのことから、今漁期のシンコ漁獲量は平年と比較すると 依然として低水準であると考えられ、3 海域とも平年を大きく下回り、特に今漁期は 2017 年漁期以降の不漁年の中でも最も厳しい漁模様が予想される」と結論。
8年連続不漁予測“最低レベル”の予測である。
これを受けて、兵庫県と大阪府の漁業者らは、イカナゴ漁解禁日を協議した。
協議は難航し、再協議となり、ついに2月26日、苦渋の決断を下した。
★ 大阪湾は自主休漁
★ 播磨灘は3月9日解禁
瀬戸内海イカナゴ漁について、これまで当ブログで幾度か述べてきました。
最新は、今期の予測と不漁の原因を述べた今年1月20日のものです。
★ 瀬戸内海に注がれる栄養塩が減少し、豊かな海が失われようとしている。餌が少なくなれば、サバイバル競争が繰り広げられ魚介類減少・魚種交代が生じている。
★ 埋め立て工事や護岸工事などにより、干潟や藻場が激減し、多くの魚介類が減少し続けている。
★ 海水温の上昇が、ひたひたと忍び寄っており、環境に適応できない魚種は減少し、魚種交代が進んでいる。
冷水性のイカナゴにとって、瀬戸内海は棲み難くなっているのかもしれない。
これだけ不漁が続くと、イカナゴのくぎ煮を各家庭で作りその香りが街に流れ、街全体に和やかな雰囲気が流れる「春の風物詩」が、人々の心に今も遺っている
その灯が消えてしまうのではないだろうか、と寂しさが込み上げてくる。