自分のブログなんだから
好きにすりゃいいのだと。




すべてをバカみたいに正直に書く
必要も義務もなくて、




ましてや誰もそんなこと
望んでいないのだし。




胸の痛むようなことを、
わざわざ泣きながら記すこともない。




自分の書きたいことだけ、
自分の残しておきたいことだけを、
記録しておけばよいのだと。




そう、自分に教えてやる。





























いりこちゃんというネコがいる。




昨年10月、
まだおぼこかったいりこちゃんをTNR。




以降ウチにゴハンを食べに来ている。




事情があり、
この外で暮らすいりこちゃんを
保護したいと思っていた。




吐くほど悩み、
鬼のように迷った。




もちろん他の子のことも想うし、
果たして自分にできるのかと、
泣くほど不安もあった。







リターンの日のいりこちゃん




















事情と言ってもそれはヒト側の事情で、
ヒト側の勝手な言い分で。



 







縁側の外から家の中を覗いて鳴かれるのが、




夜中に玄関の前に座って、
か細い声で鳴かれるのが辛かった。
ウチは昔ながらの擦りガラスになってる玄関ドア。
そこにいりこちゃんの姿がぼんやり見えてしまう。




そして先月の末だったか、
ある朝来なくて心配していた。




夕方やって来たいりこちゃんの目のすぐ上が、
パンパンに腫れ上がっていた。




可哀想で悲しくて、
心臓がばくばくした。




いりこちゃんはよく、
キヨシローさんに怒られている。




もしかして叩かれたのか。
それとも何かに刺されたのか。




しばらく抗生剤を服ませたら腫れは引いた。




薬の効果か自然治癒かは解らない。




いりこちゃんはまだ、1才だ。




これからあと何年、
こんな心配をしてゆかなければ
ならないんだろう。




そう思ったら気が滅入った。






徐々に距離が近くなり、辛くなる





















いいのかなって、
大丈夫かなって、
迷いながらも試しに
折り畳みケージを外に出して、




不安でいっぱいになりながら、
ちゅ〜るを載せたお皿を中に入れた。




さすがにそんな簡単に入ってくれんよなって、
ドキドキしながら
ここにちゅ〜るがあるよって、
いりこちゃんを誘導してみた。




ちょっとだけ躊躇ったあと、
ちゅ〜るが大スキないりこちゃんは、
いとも簡単にケージに入った。




焦りながらも
大きな音を立てないように、
扉を閉めた。




その瞬間大きくシャーと言い、
近所中に響き渡る声で、
ニャーニャーと、
おぉーーーと、
いりこちゃんは泣いた。




ケージから出ようと、
隙間から必死に手を出していた。




赤んぼじゃない子の保護は、
いつもとてもとても、迷う。




やっぱり可哀想なんじゃないか。




もう自由に畑を走り回れない。




イモ虫を見つけては
飛び跳ねることができない。




いりこちゃんは遊び盛りだ。




暑いけれど、
寒いけれど、




いりこちゃんは
外で暮らしてゆきたいかもしれない。




その子が本当はどうしたいかなんて、
わたしには解らないもの。




保護を止めるなら、今。




今、この扉を開けなきゃ。




周りの人がネコを保護するたび
やったー!
と思うのに、




こと自分が、となると、
恥ずかしいほどに、悩む。









庭でコロンコロンしてるいりこちゃん



















もうどうしたらよいのか解らなくて、
手だけを動かしていた。




手だけが、
黙々と、
いりこちゃんをネットに入れ、
キャリーに移していた。




そしていりこちゃんは
キャリーの中で、
ネットに入れられたまま、



























うんこした。



















まみれてしまった。




シャンプーするしかなくなった。




もうできるかなとか考えてなくて、
やるしかなかった。




だってまみれたから。




そうしていりこちゃんは、
わたしの保護ネコとなった。




6月23日、
日曜日のことだった。












ねぇいりこちゃん、




今回のことには
絶対イミがあったよね。




予感があったんだよね。




でも大丈夫だから。




たとえば短い生涯になったとしても、




わたしがついてる。