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私はボールペン


ボールペンですが、何か。






蛍は50日程、プーさんだった。


接客は華やかに見え実は全く、そうでない。


お給料を貰ってもほとんどが店の商品に、消えた。


飲食店で発注まで任され休めない程働いた事も、あった。


しかし蛍は皮膚が激弱で、裏方に回ると手がエイリアンに、なった。


そこへお客様の残飯などを触りバイキンマンに侵され、


見るも無惨な可哀相なお手てに、なった。


職探し中この二つは極力、避けた。


選んではいられないこの、ご時世。


そこへ派遣ではあるがやっと、働き口を、見付けた。


予想はしていたがモーレツに、ツマラナイ。


昨日も蛍姉にボヤいてた、トコだった。





さっき仲良しブロガーくんのブログに素晴らしい事が、書いてあった。


蛍は、決めた。


ツマラナイけど頑張ろうと。


つまらなくても時間内働けば、お金が貰えるのだ。


有り難い事なんだと、改めて思った。


微々たる額だが家には月三万、納めている。


そして微々たる額だが姪っ子貯金として一万、毎月貯金している。


下へいく程手をかけてやれなく、なる。


中学生になった時何かの足しになればと、思う。


無職の時もこれだけは、納めた。






蛍母は30年勤めあげた工場を、去年12月に定年退職、した。


やってる事は社員と同じなのに、残業だって三時間やってたのに、


『臨時社員』という名目だった為ボーナスも微々たるモノ、


退職金も微々たる、モノだった。


今現在母の収入は他界した蛍父の、遺族年金のみ、だ。


その遺族年金も、蛍母が年金を貰う年になれば、失くなる。


蛍父は何の為に年金をかけて、きたのだ。


ハナレはハナレで、貧乏。


生活費等を入れてくれるのは、ある時払いって、やつだ。


蛍母は随分前から職安に毎日、通っている。


孫が帰ってくる前、もしくはパートに出ている蛍姉と入れ違いに夜、働くしかない。


60を過ぎ、窓口はガクッと、減った。


返される履歴書、


不採用通知。


「社会からツマハジキにされた気分……」


と酷く、落ち込んでいる。


甲斐性ナシの娘を持った、ばっかりに。


好きな庭いじり、登山、陶芸を目いっぱい、


楽しんで欲しい。


蛍の願いはただ、それだけ。


もっともっと働けるように、


ボヤいてなんていないで早く、仕事を覚えようと、


母の背中を見て、


そう思った。


あなたの造ったお庭、


蛍は大スキです。


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