宮城県内の国道4号の歩道の舗装を破壊したなどとして、県警白石署は23日、同町出身の無職庄司照喜容疑者(83)=静岡市駿河区下川原5丁目=を道路法違反(道路の損壊)の疑いで逮捕し、発表した。「あそこは自分の土地だ」と容疑を否認しているという。

 同署によると、庄司容疑者は2009年9月30日、同県蔵王町宮の国道4号にある歩道の金属製車止め8本を工具で切断。同年10月17日には知人に頼み、ショベルカーで歩道の舗装3カ所(約115平方メートル)をはがした疑いがある。「本当にいいのか」と渋る知人に、書類などを見せた上で「間違いなく俺の土地だから、やってくれ」と金を出して頼んだという。

 問題の土地について、庄司容疑者は妻の母が戦後の農地改革で受け取ったとして約30年前から所有権を主張、国と境界線を巡ってトラブルになっていた。庄司容疑者は97年に国を提訴したが、03年に最高裁は判決で国の所有だと認めた。



以上、朝日新聞から引用


所有権の争いはともかく、爺様の道路損壊は間違いありません。
そもそも、自己の土地上に他人が許可無く築造した場合でも、勝手に壊してはいけない(自力救済の禁止)のが日本の法律ですので、道路管理者の許可なく道路を壊してはいけないのです。


この爺様は痴呆か野蛮人なのでしょうか?

私の経験上、爺様がこのような行動にでるのは間違いなく行政に不備があったと感じます。行政側の対応がまずかったために爺様は最高裁まで戦い、そして感情的に今回の行動を起こしたのでしょう。多くの行政で担当者は3年ほどで配置換えをしますが、申し送り事項に悪意があると、市民の主張は理由があっても聞き流されます。


以前、扱った案件はこうでした。

・道路の付け替えで私有地と既存道路を交換した。
・道路を作って、市道に認定した。
・既存道路の所有権移転を怠った。

結局、道路を提供した人は既存道路部分の所有権を認めてもらえず、売払いの申請を行いました。裁判をしたら所有権が認められた可能性があります。時効取得の可能性もありました。
しかし、時間が迫っていたために選んだのは土地の売払い申請だったのです。

このとき、行政の主張は以下のとおりでした。
「道路の付け替えで土地を交換した可能性はある。しかし、行政側にその資料、書面がないので今さら交換したことを認めることはできない。土地を交換したという書面はありますか?」

土地の所有者は行政を信用して書面の取交しをしなかったのでしょうが、行政側の行為はなんともお粗末だと言わざるを得ません。この案件は、交換した時代が古いために日本軍の権勢が強く、市民側からの書面請求が困難だった可能性がありました。今回のニュースで報じられているのはGHQによる農地解放が原因で、やはり混乱期です。
余談ですが、二線引き畦畔(にせんびきけいはん)の取扱も国税側の強引な考え方に思えます。(二線引き畦畔についてはまた後日)

このような経験をしていると、爺様の態度、行動には一定の理由があったと思えます。

土地というものは境界線が引いてあるものではありませんから、自分が考えている範囲と、公的に認められている範囲が違っている場合がよくあります。
そして、公的に認められている範囲はほとんどの場合、強制力を持っています。すると、自分の主張する土地の境界を守るにはしっかり調査・測量をして登記に反映するしかありません。
登記に反映することは、つまり公的に認められることですので、登記さえしておけば安心なのです。

自分の土地と道路の境界に疑義がある場合には、行政に文句を言って、いたずらに時を過ごすよりも早めに専門家に相談することがベストの選択です。


税理士法人レガシィ様が発売しているDVD・CDセミナーで弊事務所の代表土地家屋調査士梅津が講師となっております。
税理士法人レガシィ
興味のある方は下記リンクからご購入ください。

「建物にかかる固定資産税の減額要素」
DVD/CD
固定資産税はアクションを起こさなければ減額されません。
特例や控除枠が適用される要素はどんどん主張しましょう。

「売却&物納できない境界線トラブル! 解決策はこれだ!」
http://www.legacy-taxport.fpstation.co.jp/products/detail.php?product_id=1372



***************************************
不動産問題解決センター
土地家屋調査士
行 政 書 士   梅 津  彰
***************************************
オフィシャルサイトはこちらです。
$不動産問題解決センターのブログ-オフィシャル トップページ
http://www.umez.jp/

ランキングに参加しております。
にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村
にほんブログ村 士業ブログ 土地家屋調査士へ
にほんブログ村

応援よろしくお願いいたします