土地家屋調査士の測量は、器械を使用してミリ単位の精度で測っています。
そして、街中に埋設してある基準点を利用しながら地球上のどの位置にあるかを測量して、その結果を座標として登記してあります。
この座標を「世界測地系」といいますが、GPS等で測量した成果を国土地理院や各自治体が管理しています。

こういうのや
$真実の境界を探す日々
こういうのが
真実の境界を探す日々
街中の道路に埋設されていますが、この標識で日本の土地を管理しているのです。

この基準点を利用して測量・登記した場合には、境界石が解体工事や道路工事でなくなっても、境界線を元通りに復元することができるのです。そして測量の結果が地積測量図として法務局に登記してありますから「お上のお墨付き」でもあります。



さて、東日本大震災では宮城県男鹿半島で5.3メートルも地面が移動しました。栃木で1メートル、富山市でも20センチ移動しています。

地面が街ごと移動しても、地積測量図がある土地については今までの位置に戻すことは技術的に可能です。GPSにより、正確な位置が測量できるからです。

ところが、一つの土地だけをグイグイ動かすことはできませんし、町全体を数メートル戻すことは物理的にも困難です。

せっかく地球上でただ一つの土地を測量したのに元の位置に戻せないのでは困りましたね。
もしかしたら境界もあやふやになるかも知れません。

しかし、ご安心ください。

街中が数メートル移動した場合には、座標値を加減することで現状に合致するようになります。
若干のひずみはありますが、数キロのオーダーでなければ目に見えない誤差の範囲です。

過去には阪神淡路大震災で「局所的な移動は筆界はそのまま」「大規模な移動は筆界は移動したことにする」との通達がだされ40センチほど座標を平行移動させて対応していますし、今回の東日本大震災でも同じような対応がとられるかと思います。

ブロック塀が倒れたり道路の側溝が波打っても、座標で管理された土地ならば面積が減ったり隣から越境される危険性が少なくなります。理由は、土地家屋調査士が調査、測量の上で登記をした図面ならば信頼性が抜群だからです。

土地の測量・境界確定は「転ばぬ先の杖」であり、想定外のことに備えることで不動産を守ることが可能になりますので、正確な地積測量図がない場合には、一度測量をしたほうが良いかも知れません。


なお、現在は基準点の点検測量が未済のために、世界測地系を登記に使用しないように法務省から通知がだされている状態です。そのため当事務所では、近傍の恒久的地物を地積測量図に記載することで境界点に高い復元性をもたせております。



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不動産問題解決センター


土地家屋調査士
行 政 書 士   梅 津  彰


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