有効成分シチコリンが脳機能に及ぼす効果：協和発酵バイオ株式会社

「シチコリン」は、脳などの神経細胞にある細胞膜を維持するはたらきを持つ体内成分です。脳梗塞や脳卒中、外傷性脳障害、緑内障などの治療薬や、認知機能をサポートする健康食品等に用いられています。


協和発酵バイオ株式会社は、独自の発酵技術を用い、シチコリンの低コストな大量生産を実現した経緯があります（Link）。

 

シチコリンを配合した栄養補助食品の、脳機能への効果を検証した論文を紹介いたします。

 

①健康な成人の注意力、精神運動機能に及ぼす効果
『The Effect of Citicoline Supplementation on Motor Speed and Attention in Adolescent Males（思春期男性の運動速度と注意力に対するシチコリン補給の効果）』

J Atten Disord. 2019 Jan;23(2):121-134. 


同研究では、75人の健康な思春期の男性を2つのグループに分け、シチコリン（一日250mgまたは500mg)または偽薬（プラセボ）を28日間摂取して、認知機能テスト（Ruff 2&7 Selective Attention Test、Finger Tap Test、Computerized Performance Test, Second Edition）を行いました。

シチコリングループは、プラセボグループと比較して、注意力および精神運動速度の有意な改善が認められました（p = 0.02およびp = 0.03）。これらの効果は、摂取したシチコリンの用量とも相関していました。

 

②健康な高齢者の認知機能への効果
『Citicoline and Memory Function in Healthy Older Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial（健康な高齢者におけるシチコリンと記憶機能:無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験）』

J Nutr. 2021 Aug 7;151(8):2153-2160. 

同研究では、加齢性の記憶障害を自覚する健康な高齢者男女100名（50歳から85歳）を二つのグループに分け、シチコリン(500 mg/日)またはプラセボを12週間摂取して、認知機能テストを行いました。

 

シチコリングループでは、プラセボを投与グループと比較して、認知機能の「エピソード記憶」および「複合記憶」の項目で有意な改善を示しました(P = 0.0025およびP = 0.0052)。