理研ビタミン株式会社は、クチナシ由来のカロテノイドであるクロセチンが、睡眠の質に与える影響を評価しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Effect of crocetin on quality of sleep: A randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover study(睡眠の質に対するクロセチンの影響:無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー研究)』

Complement Ther Med. 2018 Dec:41:47-51. 

 

クロセチンはクチナシの果実やサフランに含まれる黄色の色素成分で、ニンジンに含まれる「β-カロテン」や、トマトに含まれる「リコピン」の仲間です。「β-カロテン」や「リコピン」と同様に、強い抗酸化力を持ち、その健康効果が注目されています(出典:理研ビタミンウェブサイト)。同社は、機能性食品用原料として「クロビット・シリーズ」を提供しています。

黄色の食べ物が3つ並んでいる画像

画像出典:理研ビタミンウェブサイト

 

同研究では30名の被験者が、1日当たり7.5 mg のクロセチンまたは偽薬(プラセボ)を14日間摂取するサイクルを、ランダムな順序で実施しました。2つのサイクルの間には、14日間のウォッシュアウト期間を設けました。各サイクルごとに、脳波計を用いた睡眠パラメーター測定と、アンケートによる主観評価を行いました。

 

主観評価では、クロセチン摂取により「起床時の眠気」と「爽快感」のスコアが有意に改善しました。脳波測定では、深い睡眠時に現れるデルタ波の割合が、クロセチン摂取で有意に増加しました。

同結果より、クロセチンは睡眠の維持に寄与し、睡眠の質の改善につながり得ると結論付けられています。

 

クロセチンを含む睡眠サプリメントは、ファンケルやオリヒロなどから市販されています。