味の素株式会社とトロント大学の共同研究チームは、 ロイシンを豊富に含む必須アミノ酸(Leucine-Enriched Essential Amino Acids:LEAA)の、運動後の筋肉回復効果について検討しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。

『Leucine-Enriched Essential Amino Acids Improve Recovery from Post-Exercise Muscle Damage Independent of Increases in Integrated Myofibrillar Protein Synthesis in Young Men(ロイシンが豊富な必須アミノ酸は、若年男性の統合筋原線維タンパク質合成の増加とは無関係に、運動後の筋肉損傷からの回復を改善します)』

Nutrients. 2020 Apr; 12(4): 1061.

 

LEAAは、9種類の必須アミノ酸を含み、特にロイシンが高濃度に配合された味の素の独自開発成分です。スポーツによる負担からの早めのリカバーリーや、安定したパフォーマンスに役立つとされています。同社はLEAAを含んだ栄養食品「アミノバイタル・プロ」を販売しています。

アミノバイタルプロ に対する画像結果
画像出典:味の素株式会社


同研究では、活動的な若年男性被験者20人が、筋肉損傷を伴う激しい下半身抵抗運動を行った後、4 gのLEAA(1.6 gロイシンを含む)または等カロリーの偽薬(プラセボ)を1日3回、4日間摂取しました。運動直後から96時間にわたって、筋原線維タンパク質合成量や筋力(等尺性および等速性トルク)などの、筋肉損傷のマーカーを比較しました。

筋原線維タンパク質合成量は、運動後96時間で~72%増加し、群間差はありませんでした。一方、筋力の指標である等尺性、等速性、および総ピークトルクは、運動48時間後に~21%減少し、引き続く回復期間では、LEAA群がプラセボ群と比較して全体的に~10%高値を示しました(p < 0.05)

同結果より、LEAAは激しい運動後の回復期において、筋タンパク質合成量の変化を伴わずに筋肉損傷を軽減すると結論付けられています。