森永乳業株式会社は、ケルセチン誘導体である「Eルチン」の、筋肉増加効果について検討しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Effects of enzymatically modified isoquercitrin in supplementary protein powder on athlete body composition: a randomized, placebo-controlled, double-blind trial(アスリートの体組成に対する補助タンパク質粉末中の酵素修飾イソクエルシトリンの影響:無作為化プラセボ対照二重盲検試験)』

J Int Soc Sports Nutr. 2019 Sep 10;16(1):39. 

 

ルチンは、柑橘類、タマネギ、ソバなどに含まれるフラボノイドで、強力な抗酸化作用を有し、心血管疾患や代謝性疾患への効果が期待されています。Eルチン(イソクエルシトリン)はルチンの誘導体で、体内吸収性が約45倍改良された機能性成分です。森永乳業株式会社は、Eルチンを含んだプロテインパウダー「マッスルフィットプロテイン」や、INシリーズのチョコレート、ドリンクなどを販売しています。

森永ルチン に対する画像結果

画像出典:森永乳業株式会社

 

同研究では、アメリカンフットボール選手40名(平均年齢:19.8歳±1.4歳、身長:174.1±6.0 cm、体重:75.5±10.7 kg)が、Eルチン42 mg含むホエイプロテイン、もしくはプラセボホエイプロテインを週6回、4カ月間摂取し、摂取期間前後の体重、体組成、血中の酸化ストレス度を評価しました。

 

Eルチン群では、下肢の無脂肪量および筋肉量がプラセボ群と比較して有意に増加しました(無脂肪量:プラセボ群:324.1±284.3 g、Eルチン群:950.3±473.2 g、p=0.031、筋肉量:プラセボ群:255.7±288.6 g、Eルチン群:930.9±471.5 g、p=0.021)。また、酸化ストレスの指標であるBAP/d-ROM比は、Eルチン群で有意に優れていました(プラセボ群:8.8 ± 1.1、Eルチン群:10.3 ± 2.8、p=0.028)。

 

同結果より、Eルチンは抗酸化作用を介して筋肉量増加に寄与し得ると結論付けられています。