株式会社カゴメの研究グループは、抗酸化カロテノイド「リコピン」の血糖値低減効果について、統合解析(システマティックメタアナリシス)を行いました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Efect of Lycopene Intake on the Fasting Blood Glucose Level: A Systematic Review with Meta-Analysis(空腹時血糖値に対するリコピン摂取の影響:メタアナリシスによる系統的レビュー)』
Nutrients 2023, 15(1), 122


リコピンは、強力な抗酸化作用を有するカロテノイドで、トマト、スイカ、レッドグレープフルーツ、パパイヤ、アプリコット、グアバなどの赤い果物や野菜に含まれています。がん、心血管疾患、糖尿病、皮膚病、骨疾患など、多くの疾患の予防効果が報告されています。


同研究では、リコピン摂取と血糖値の関連を評価した11の研究(合計750名)の統合解析を行いました。被験者は健常者、肥満患者、メタボリックシンドローム、高血圧、2型糖尿病患者などが含まれ、リコピン合有食品としては、トマト抽出物、精製リコピン、化学合成リコピン、トマトジュース、セミドライトマト、リコピン添加アイスクリーム、リコピン添加ダークチョコレート、トマトが豊富な食事、野菜ジュースなどが含まれました。リコピンの摂取量は一日あたり6~50 mg、摂取期間は2週間~6か月でした。


統合解析の結果、リコピン摂取は血糖値を有意に低下させることが分かりました(p=0.05)。特に2型糖尿病患者において強い抑制効果(p=0.02)が観察されています。


本結果は、リコピンの血糖値低減効果について、高レベルのエビデンスを与えるものと位置づけられます。