サントリーグローバルイノベーションセンター(サントリーホールディングスの独立研究子会社)は、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種「オリゴマープロシアニジン(OPC)」が、健康な日本人女性の肌の色と水分に及ぼす影響を評価しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Effects of oligomeric proanthocyanidins (OPCs) of red wine to improve skin whitening and moisturizing in healthy women - a placebo-controlled randomized double-blind parallel group comparative study(健康な女性の美白と保湿を改善するための赤ワインのオリゴマープロアントシアニジン(OPC)の効果-無作為化二重盲検プラセボ対照試験)』
EuI Rey Med Pharmacol Sci 2020:24 (3):1571-15844


赤ワインポリフェノールには、様々な重度の化合物が混在しています。「オリゴマープロシアニジン(OPC)」は、比較的重合度の低いプロアントシアニジンで、抗アレルギー、抗酸化、抗老化、降圧作用などを持つことが報告されています。


同研究では、100人の健康な女性被験者(30~59歳)を二つのグループに分け、赤ワインOPC200 mgを含む飲料またはプラセボ飲料を1日1回、12週間摂取しました。試験開始前、および開始後4週目、8週目、12週目の段階で、顔の皮膚の状態(紫外線による日焼け、乾燥)を評価しました。


試験開始12週間後の段階で、OPC 群の色素沈着スコアとメラニン指数は有意に低下し、プラセボ群と比較しても有意に低値でした(p=0.05)。また、OPC 群は試験前と比較して角質層の水分量が有意に増加したのに対し、プラセボ群では有意に減少しました。


本結果より、赤ワインOPC は美白や保湿の効果を有し、肌状態を改善する可能性があると結論付けられています。

 

同社はポリフェノールを有効成分とする化粧品シリーズ「エファージュ」や、OPC配合飲料「フラバン茶」を販売しており、本研究成果が活用されている可能性があります。

画像出典:サントリーウェルネス ウェブサイト