株式会社ファンケルは、食後血糖低下作用のある桑の葉抽出物サプリメントが、効果を発揮しやすい摂取タイミングについて調査しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Efects of the timing of acute mulberry leaf extract intake on postprandial glucose metabolism in healthy adults: a randomised, placebo-controlled, double-blind study (健康な成人の食後グルコース代謝に対する桑の葉抽出物摂取のタイミングの影響:無作為化、プラセボ対照、二重盲検研究)』
Eur J Clin Nutr. 2023; 77(4): 468-473.


桑の葉抽出物は、有効成分「デオキシノジリマイシン」を含み、食後の血糖値上昇を抑制することが示されています。作用機序として、糖分解酵素「αーグルコシダーゼ」の阻害による小腸での糖吸収抑制、インスリン機能および感受性の改善などが報告されています。これらの機序を鑑みると、桑の葉抽出物を一日のどのタイミングで摂取するかが、有効性に寄与すると考えられます。

 

株式会社ファンケルは、桑の葉抽出物を配合したダイエットサプリメント「カロリミット」を販売しています。

カロリミット

画像出典:株式会社ファンケルウェブサイト

同研究では、21~39歳の健康な若年成人12名(男性8名、女性4名)が、ランダムな順序で以下の4つの試験に参加しました。各試験の間隔は少なくとも1週間としました。
 ■朝食時・偽薬(プラセボ)試験:8:00開始
 ■夕食時・偽薬(プラセボ)試験:18:00開始
 ■朝食時・桑の葉抽出物試験:8:00開始
 ■夕食時・桑の葉抽出物試験:18:00開始


各試験とも直前10時間は絶食とし、体重あたり60 kcalに調整した食事を、桑の葉抽出物もしくはプラセボとともに摂取しました。食事の前後、および30分後、60分後、120分後、180分後に採血し、血糖値を測定しました。


夕食時の桑の葉サプリ摂取は、食後一定時間内の血糖積算値(曲線下面積)、食後120分後のグルコース濃度、食後180分後のインスリン濃度を有意に低下させました(それぞれP=0.010、0.006、0.034)。朝食時の桑の葉サプリ摂取は、食後120分後のインスリン濃度のみ有意に低下させています(P=0.034)。これらの結果は、桑の葉抽出物に対する血糖値の応答性は、朝食後よりも夕食後のほうが大きく、夕食時の摂取がより効果的であることを示唆しています。近年のメタアナリンスでは、耐糖能は日中よりも夜間で劣ることが検証されており、本試験結果とも矛盾しないと考察されています。


本研究より、夕食時の桑の葉抽出物の摂取が、糖尿病などに関連する耐糖能の改善に有効と結論付けられています。