森永乳業株式会社は、ラクトフェリンサプリメントの喉・気管支症状に対する様々な有用性を検討しています。
ラクトフェリンは、牛乳や母乳などに含まれるタンパク質で、乳児用調製粉乳、ヨーグルト、飲料、サプリメントなどに利用されています。これまでの研究において、樹状細胞やNK細胞、T細胞といった様々な免疫細胞を活性化させ、ウイルス感染などに伴う諸症状を緩和する効果が示されています。森永乳業株式会社は、「ラクトフェリンオリジナル」や「ラクトフェリンプラス」といったラクトフェリンサプリメントを販売しています。
画像出典:森永乳業株式会社
Nutrients. 2023 Sep; 15(18): 3959.
同研究では、健康な男女成人145人(18歳から65歳)を2つのグループに分け、ウシラクトフェリン(1日あたり200mg)もしくは偽薬(プラセボ)を12週間摂取して、呼吸器症状(のどの不快感、声がれ、痰、くしゃみ、鼻水、鼻づまり)および全身症(熱っぽさ、倦怠感)状を比較しました。症状の合計スコアは、呼吸器、全身ともラクトフェリン群で有意に低下しました。また、ラクトフェリン群では免疫細胞であり血中樹状細胞の成熟が亢進しており、免疫機能を介して症状を緩和している可能性が示唆されました。
Nutrients. 2023 Sep; 15(18): 4033.
同研究では、健康な成人被験者40名(18歳から65歳)が、ウシラクトフェリンまたはプラセボ水を経口摂取した後、低湿度環境に2時間暴露して、口腔内および喉の不快感(乾燥感、飲みこみづらさ)の自覚症状、および唾液量と唾液中の免疫物質(免疫グロブリンA)分泌量を比較しました。被験者は、ラクトフェリン摂取とプラセボ摂取の両方のセッションをランダムな順序で受け、個人に起因するバイアスを排除しています。
ラクトフェリン摂取後は、口腔および喉の不快感が有意に低下する効果が確認されています。