アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社(アサヒグループの独立研究子会社)は、乳酸菌CP790株を用いた発酵乳の便通に及ぼす影響を評価しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。

 

『Effects of Heat-Treated Lactobacillus helveticus CP790-Fermented Milk on Gastrointestinal Health in Healthy Adults: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial(熱処理された乳酸桿菌Lactobacillus helveticus CP790の発酵乳が健康な成人の胃腸の健康に及ぼす影響: 無作為化二重盲検プラセボ対照試験)』
Nutrients 2024, 16(14), 2191

 

同研究では、便秘傾向の健康な日本人被験者120名(20歳~59歳)を2つのグループに分け、CP790発酵乳もしくはプラセボ飲料を毎日100 mL、4週間摂取しました。試験期間中の便通と気分の変化を記録するとともに、期間前後の腸内細菌の組成を解析しました。

 

CP790発酵乳を摂取したグループでは便通の改善が認められました。腸内細菌解析ではDesulfovibrio属の低下が認められ、これらは便通の改善と相関していました。全体的な気分障害、抑うつ・落胆といった自覚症状は、CP790群が有意に優れていました。

 

なお、Desulfovibrio属は硫酸塩還元に寄与する細菌であり、これらの経路が作用機序に関与する可能性があると考察されています。

 

同結果より、CP790発酵乳が腸内細菌の調節に効果的であり、便秘や気分の改善につながりうると結論付けられています。