ヤクルト中央研究と順天堂大学の合同研究チームは、同社のシンバイオティクス食品「シンプロテック」の、2型糖尿病の肥満患者の腸内環境に与える影響を評価しました。同研究成果は以下の論文に掲載されています。


『Effects of Synbiotic Supplementation on Chronic Inflammation and the Gut Microbiota in Obese Patients with Type 2 Diabetes Mellitus: A Randomized Controlled Study(2型糖尿病の肥満患者の慢性炎症と腸内細菌叢に対するシンバイオティクス補給の効果:無作為化比較試験)』

Nutrients. 2021 Feb; 13(2): 558.

 

シンプロテック」は、小腸で機能する「乳酸菌シロタ株」、大腸で機能する「ビフィズス菌BY株」、および主にビフィズス菌の栄養源として利用される「ガラクトオリゴ糖」の混合製剤です。

画像出典:ヤクルト本社株式会社ウェブサイト


同研究では、2型糖尿病の肥満患者88人を2つのグループに分け、「シンプロテック」もしくは偽薬(プラセボ)を24週間毎日摂取して、血中の炎症マーカー、脂質、血糖値、および腸内の細菌組成、代謝物組成を評価しました。

 

「シンプロテック」群では、投与後24週の時点で、腸内のビフィズス菌と乳酸菌の数および相対比率、および酢酸と酪酸の濃度が向上しました

 

同結果より、「シンプロテック」は2型糖尿病の肥満患者の腸内環境を改善し得ると結論付けられています。一方、血糖値や血中炎症マーカーへの有意な影響は認められなかったことから、対象症例の検討などの更なる研究が必要と述べられています。