発毛治療に特化したテクノロジー企業Fidia Farmaceutici s.p.a.（イタリア）は、同社が開発した脱毛の予防・治療用ローション「TRINOV Lozione Anticaduta」の有用性を、60名の被験者により評価しました。同研究成果は以下の論文で発表されています。
Dermatol Ther. 2019 Jan;32(1):e12778.
『A liposome-based formulation containing equol, dihomo-γ-linolenic acid and propionyl-l-carnitine to prevent and treat hair loss: A prospective investigation（脱毛の予防と治療のためのエクオール、ジホモ-γ-リノレン酸、プロピオニル-L-カルニチンを含むリポソームベースの製剤の評価）』
「TRINOV Lozione Anticaduta」は、ジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)、S-エクオール、プロピオニル-L-カルニチンを有効成分とし、男性用の「TRINOV Lozione Anticaduta Uomo」と女性用の「TRINOV Lozione Anticaduta Donna」が製品化されています。DGLAは生理活性物質であある「プロスタグランジンPGE1」の前駆体で、頭皮の微小循環を改善する効果を持ちます。S-エクオールは酵素「5α-レダクターゼ」を阻害して、脱毛の原因である男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」の合成を阻害します。プロピオニル-L-カルニチンは脂質代謝を促進し、エネルギー生産を刺激します。「TRINOV Lozione Anticaduta」は、これらの3つの分子を微小な脂質カプセル（リポソーム）に充填し、頭皮への送達を高めた製剤です。
画像出典：Fidia Farmaceutici s.p.a.ウェブサイト
同研究では、男性型脱毛症の徴候を有する男性30名（平均年齢46.6±6.4歳）、女性30名(平均年齢49.5±9.0歳)が、6か月間ローションを毎日頭皮に塗布しました。治療後に、女性では毛髪数が大幅に増加し、男性ではわずかに増加しました。また、女性は治療開始後１か月、男性は3か月の段階で、成長期毛の有意な増加と休止期毛の有意な減少が観察されました。