クレソン抽出物は、発毛効果を有するハーブの一つとして知られていますが、その作用メカニズムは不明でした。

化粧品、健康食品および医薬部外品原料の研究開発を手掛ける一丸ファルコス株式会社は、クレソン抽出物を含むローションが発毛に及ぼす景響を評価するともに、その作用機序について調査しました。

 

同研究成果は以下の論文で発表されています。
『Effects of watercress extract fraction on R-spondin 1-mediated growth of human hair(クレソン抽出物がヒト毛髪の成長に及ぼす影響)』

Int J Cosmet Sci. 2022 Apr;44(2):154-165. 

 

同研究では、20~55歳の44人のAGAの男性をランダムに2つのグループに分け、2%クレソン抽出物を含むローションもしくは偽薬(プラセボ)ローションを1日2回、6か月間塗布しました。その結果、クレソン抽出物群で髪の太さと密度が増加し、抜け毛の症状を改善する効果が認められました。

 

細胞実験では、クレソン抽出物が細胞増殖に関与する細胞内シグナル(Wntシグナル)を活性化することが分かりました。同作用は、脱毛の原因とされる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」の存在下でも維持されていました。

 

同結果より、クレソン抽出物は既存のADA治療薬とは異なるメカニズムで発毛効果を発揮し、既存治療との併用が有効な可能性があると述べられています。

 

クレソン抽出物は、一丸ファルコス株式会社の製品「バージョンアップ」としても取り扱われています。

画像出典:市丸ファルコス株式会社