LIPS*Sさんの「水月鏡花」無事終演いたしました。

ご観劇・応援いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

 

今回も殺陣振付として関わらせていただきましたが、今回はLIPS*Sさん初めての

時代ものということで、殺陣もどういう風にするか、当初は結構悩みました。

 

今回の登場人物たちは、様々な作品で、様々な立場から描かれる人々です。

それら先達の方が生み出した人物像・戦い方などの特徴をどう扱うか。

 

ただ、実際に振付を始めてみると、なんのことはなく、すんなり登場人物たちの

動きが頭に浮かんできました。

「創作」というのは0から生み出すというのは現在ほぼありえないことです。

必ずその人の今まで吸収してきたことが表出するからです。

自分も新撰組や坂本龍馬のストーリーなどは小さい頃から親しんで来ましたので、

「自分が彼らにして欲しい立ち回り」というのが、きっと同じように彼らの勇姿を知っている

方からしても同様に受け入れてもらえるのではないか、と思いました。

 

坂本龍馬は今回かなり特殊な立ち位置で、そもそも人間ではなかったため、

まずは「殺陣」の枠を外すことを意識しました。良い意味で、刀を刀と思わず、

ただし物理的な不自然さが内容に調整。あとはとにかくかっこよくなってくれと思いながら

振付しました。中谷さんはそのイメージを見事に表現してくれたと思います。

 

新撰組の沖田と土方は、まず二人で一組であることを念頭に、

それぞれ戦い方の特徴をできるだけ区別しようと考えていました。

沖田は例えるなら風のように緩やかに、しかし吹く時には激しく。

土方は火のような力強さで。

さらに沖田には突き技がやはり付いて回りますから、突きをいかに

かっこよく使うかには苦心しました。

土方は力強さを、本人のインパクトの使い方だけではなく、立ち回りの中でどう表すか

を考えました。牙突を何度かしていますがこれは風間さんからの要望でしたw

確かに牙突考案者なので、そりゃ使いますよね。突きに偏らないように

土方には大きめの斬りを多めにしたりしてます。

コンビネーションも色々としているんですが、分かりやすいのは沖田が土方の膝を使って

跳んでから連撃するところですかね。あとはお互いの攻撃の隙間を縫ってギリギリの

角度から攻撃を繋いでいたりします。

 

その他、佐々木は正統な武道からの現代的の魅力との融合を目指したり、

梅太郎は実直な殺陣を目指したり、勝海舟は、、、面白くなるようにw

 

今までにLIPS*Sさんで付けてきた殺陣のなかでも、特に個性を目立たせることが

できた作品だったかなと思います。

 

今後も殺陣のワークショップを定期的に開催予定ですので、

殺陣にご興味お持ちいただいた方はぜひご参加ください。

また、振付・指導のご依頼も随時受け付けております。

 

それではまたーー。