今日はニカラグアと日本との違いにものすごく驚きながらも
日本で働いていた時のことを思い出させてもらえるある出来事があった。
そして、いろいろ考えさせられた1日だったので今日の気持ちを忘れないためブログに残そうと思う。



彼女は20代前半。
初めて会ったのは彼女がお産を終えて2時間後のことだった。

お産から2時間も経つというのにまだ母子ともに病院のシーツを身にまとっていた。
そのときは軽い会話をしてその場を離れた。

その後、訪室するとまだ赤ちゃんはシーツにくるまれたまま。

家族はいつ来れる?と聞くと、ゆっくりと彼女はこんなことを話し出した。

赤ちゃんの服などは何も準備していない。
お金がない。
家がない。
赤ちゃんは育てられない。
助けが必要。
実は強姦されてできた子。

私のスペイン語力でもこれは普通じゃないぞ、と思ったけど、
なぜ今になってこんな話が出てくる?という疑問も…

とりあえず担当の看護師さんにつたないスペイン語で経緯を説明。

看護師さんは初め「そんなこといったってあの持ってるカバンに洋服が入ってるに違いないわ。もう、何言っちゃってるの。」なんて感じだった。
ここで彼女に対してちょっと疑いの気持ちを持ってしまった…ごめんなさい。

そして一緒に彼女の元へ行って話してみるとやはり
ただ事じゃない‼

ということで、

彼女は強姦の被害で妊娠。
子どもを育てる環境が整っておらず、彼女も養育意思がない。

こんな事が今さら判明‼
産後1日で退院なので、明日には退院予定だった。

このまま彼女が何も言わなかったらこの赤ちゃんと彼女はその後どうなっていたのか…と考えたらこのタイミングでも言ってくれてありがとう‼

彼女は健診に来ていたにも関わらずなぜ医療者はここまで何も気づいてあげられなかったのか…という怒り。

日本の病院で働いていたときにも状況は違うけど似たような症例をみてきた。

院内の他職種が迅速に対応し、患者さんのプライバシーは守りながらも患者さんにベストと思えることをできる限り行っていた。

ここニカラグアではプライバシーが守られないことが多々ある。というか、プライバシー保護の観点がないのか…

今回は、私と彼女との会話から始まった出来事だったので一層プライバシーのことが気になった。

知らないところでどんどん無関係な人に情報が伝わり、
彼女の顔がみたいから写真を見せてくれと色々な人から言われ、
彼女の部屋には代わる代わるたくさんの看護師が出入りする…

日本とニカラグアの対応の違いが大きすぎて、ここはニカラグア‼と心の中で言い聞かせてもやっぱり悔しさ?怒り?なんともいえないよくわからない感情。
そして、彼女の気持ちを考えると心が痛んだ。

結局、赤ちゃんは里親に出されることに。
すでに看護師の中から何人も里親希望が…本気⁉

思ったのは、みんなどうしても「赤ちゃんがかわいそう」と赤ちゃん目線になりがちだが、
彼女のこともしっかりケアしてほしい。

赤ちゃんが然るべき対応で他の場所に連れていかれてしまってから、静かになった彼女の病室を訪ねた。

赤ちゃんが連れていかれるときは、「赤ちゃんに対して何も思わない」ということに色んな人から非難されていた彼女。
一人病室で静かに泣いていた。

そこにまた産後の家族計画をきちんとしなさい、と看護師が強い口調でお説教しに来た…苦笑
このタイミングで、その指導の仕方か⁉と思ったけどしょうがない。笑

それから彼女としばらくお話しして、最後には笑顔があった。



彼女と赤ちゃんに愛着形成の時間があったら…
これらの事実がもっと早くわかっていたら…
もしかしたら彼女が養育できる状態になったかもしれない。
今回のような結果で良かったのか悪かったのかまだ誰もわからないが、
彼女と赤ちゃんの未来が幸せであって欲しいと心から願う★



ニカラグアの性暴力、若年妊娠、貧困etc.の問題。
赴任から半年で慣れてきてしまっていた問題もあったけど、改めて問題の大きさを実感させられた出来事だった。





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