「中森明菜」 NEW ALBUM 88年8月3日発売
『Femme Fatale』(ファム・ファタル):魔性の女、運命の女の意を持つフランス語.妖婦の意も。
アルバムの特色
・すべての曲のリズムがダンサブルなら、メロディーも思いきり明菜式ポップ。
・インターナショナル規模で制作されたこのアルバム。基本は洋楽チック、でも すべてに明菜スパイスがタップリ。
・いままで見られなかった誘うような明菜方式セクシー唱法あり。
・明菜のVOCAL STYLEに強力なパワーと魔力のような緊張感が加わった。
・フランシス・バックレーによる大胆で繊細なミックス・ダウン。
・明菜の新しい魅力を発見すること必至。
暑い夏を、ビート感溢れるAKINAのアルバムで蹴り飛ばそう!!
ロス・アンジェルスにて録音
アレンジャー
・ジョン・リンド = マドンナ「クレイジ-・フォー・ユー」や EW&Fの作者
・マーク・ゴールデンバーグ = リンダ・ロンシュタット 他
・スコット・ウィルク = ビリー・アイドル 他(チャーリー・セクストンの キーボードプレイヤーでもある)
・ジョーイ・カルボーン = ジョン・オバニオン 他
参加ミュージシャン
・ピーター・フランプトン = ギター
・スティーヴ・ファリス = ギター(Mr.Mister)
・ビル・メイヤーズ = キーボード(EW&F)
・マイケル・トンプソン = ギター(スタンリー・クラーク等)
・ジェニファー・コンドス = ベース
・キム・バラード = イエス
「曲目解説」
1・Reversion (原題:Desire) Dina Miller , Alan Gorrie 道行 恵 (日本語詞) スコット・ウィルク(編曲)
「クールな中に秘めた情熱を感じさせる作品。アメリカで新開発された音楽専用の超大型
コンピューター「シンクラビア」によって録音された。明菜は感情をコントロールしながら
バックと一体になっている。」
2・HEART BREAK 葛口雅行 (作曲)、青木久美子 (作詞) ジョン・リンド (編曲)
「曲は とても洋楽っぽい。アレンジはマドンナの「クレイジー・フォーユー」を作曲した
ジョン・リンド。ジョンはEW&Fの「ブギー・ワンダーランド」等も手がけており、
ダンサブルなビートはまさに本物。ギターはマイケル・トンプソン。」
3・抱きしめていて (原題:Love Is My Favourite Lesson) Julie Morrison (作詞・作曲) マーク・ゴールデンバーグ (編曲)
「ファンキーでカッコいいベースのフレーズに明菜のVOCALがセクシーにからみついて
いる曲。こんなにセクシーに歌う明菜は初めての経験です。」
4・ Femme Fatale Nick Wood (作曲) 青木久美子 (作曲) ジョン・リンド(編曲)
「ちょっぴりかげりのあるメロディーがとてもノスタルジック。このアルバムのタイトル曲で
明菜も特にお気に入りの1曲。サビのサンバのリズムパターンが とても ここち良い。」
「当時のFC会報でも、明菜が「フェイバリット」としてた曲。「都会の中の寂寥感」を
感じさせる楽曲。「SOLITUDE」や、後の「VAMP」の世界にも共通し、
こういう曲は、明菜に似合うなぁ、の典型。月夜の熱い情事(ひめごと)を唄ってます。」
5・I Know 弧独のせい Qumico Fucci (作詞・作曲) マーク・ゴールデンバーグ(編曲)
「独特のビートとメロディーを持つ曲。明菜のVOCALも激しく情熱的。この
ギター・ソロがなんと、ピーター・フランプトン! 泣かせるギター・ワークを
聴かせてくれる」
「イントロ、そして唄いだしから、COOL! 明菜は、アイドルで終わる「器」では
無かったと再認識。アルバム「STOCK」でも聴かせてくれた、明菜のボ-カル力
(迫力)は、この頃がピークだったかも。この「迫力」を備えた女性歌手は、私の中で
未だに、中森明菜を超える者はいない。」
6・ La Liberte (原題:When you touch me) Joey Carbone (作曲・編曲) 森由里子(作詞)
「外国の作家の作品だが、キャッチーでとても日本的なメロディーを持った曲。
この曲での明菜の迫力はすごい。ギター・ソロは、Mr.Mister の Steve Farris。
ノリの良いアップ曲。」
「夜ヒット」 で唄った時も、司会者の柴さんから 「コンサートで1番盛り上がる曲だ そうです。」
と紹介されていた。こういうメロディーの振幅の広い曲は、女王・明菜しか
唄えない世界ですな。「(情事の後で)引き止めないで 帰る私を」「鳥のように自由に
生きてきた」 「でも、止まり木(休息の場) あなたの所へ いつか還るわ」という
挑発的な歌詞を余裕で唄いこなしている。97年ライブで初めて「生」で聴いた時は、
「鳥肌モノ」でした。また、やってくれないかな。88年ライブを見た方が羨ましい。
プロモEP(2曲入り)の残る1曲。)
7・So Mad 関根安里(作曲) 冬杜花代子(作詞) スコット・ウィルク(編曲)
「TATTOOの作曲 関根安里と、TANGO NOIR の作詞 冬杜花代子の作品、
斬新なイントロが衝撃。ファンキーなリズムとブリティッシュぽいメロディーがおもしろい。」
「歌詞カードに書いてない、イントロの♪ギブ ギブ ギブ ・・・が 印象的。
「夜ヒット」 「Mステーション」 で披露された。(86年の 「不思議」 でサポートした
EUROXのメンバー関根が、「TATTOO」を経て、このアルバムでも参加。
EUROXと明菜のコラボは、「I MISSED THE SHOCK」で終わるが、
「奇跡の競演」だったなと、改めて今思う。EUROXは、解散してしまったが、また
明菜と才能あるミュージシャンで「衝撃作」を作って欲しいものだ。)なお、97年ライブ でも披露した曲。」
8・Paradise Lost (原題:Love is in fashon) Robert Etoll ,Michael Des Barres(作詞・作曲) 森由里子(日本語詞) マーク・ゴールデンバーグ(編曲)
「なかなかのロック・フィーリングを感じさせてくれる曲。スピード感もたっぷりで、
とてもスリリング。明菜のVOCALも鬼気迫るものがあります。ギター・ソロは
ピーター・フランプトン。「抱きしめて・・・」の歌詞がハッとさせます。」
9・Move Me (原題:Strictly Confidential) Robert Etoll ,Peter Bliss (作詞・作曲) 葛田佳子(作詞) スコット・ウィルク(編曲)
「映画「ナインハーフ」の世界を彷彿とさせるブルージーでセクシーな曲。特に注意して
聴くと、ギター・ソロのバックで明菜のセクシーな ため息が聞こえます。」
10・Jive Qumico Fucci (作曲) 都志見隆 (作曲) 三宅純(編曲)
「ヨーロッパの香りのするエスニック風ダンスミュージック。ヨーロッパでは
この手が大流行だそうです。曲はとてもアメリカンで詩はとてもオシャレな感じを受けます。」
「明菜を語る上で、かかせない作曲者・・・初期は来生たかお。代表作を作ってくれた点で
井上陽水、鈴木キサブローなども挙がるだろう。(「難破船」のおトキさんは「カバー」
で、別に明菜の為に作ったわけではないので。)よく考えると、長期に渡って明菜を
サポートし、良質な音楽を提供してくれたのは、都志見 隆なのである。
「SAND BEIGE」や「椿姫ジュリアーナ」、「ミロンギータ」などの80年代の
「エスニック風サウンド」は、彼の作品が多い。(明菜もファンも好きであろう)
そして、2002年のアルバム「レソナンシア」でも『243』の作詞名で提供。
そもそも、この人はメロディーメーカーとして「天才」である。郷ひろみのバラード2作品
「言えないよ」「逢いたくてしかたない」、工藤静香「ICE RAIN」など、
『この歌手には、どんなタイプの楽曲が ふさわしいか」を見抜く力がある。
中森明菜には、異国情緒のサウンド・無国籍音楽の世界・ラテンの音楽が良く似合う。
バラードもロックも似合うけれど、歌手;中森明菜の名前を大きくし、「盤石」にした
のは、やはり「エスニック・サウンド」であろうから。この世界が、歌謡曲と
ロックと「融合」して、明菜の代表作『DESIRE』が完成したのであるから。
これからも、明菜と都志見隆とのコラボに期待してやまない。
インド音楽やアラブ音楽にも挑戦して欲しい。「赤い花」や「カルメシィ」の「スパイス」 は、ほんの「序章」に過ぎない。扉を開いてくれるのは、都志見 隆だと思う。そんな事を 「Jive」を今、聴きながら、ぼんやりと頭に浮かべた・・・。」
「自分の中で、大した位置にない作品、「Femme Fatale」のアルバムですら、こんなにも
ミュージシャン(ワールドワイド規模)を起用していたんですね。80年代の明菜は、アルバムの
ブックレットにミュージシャン名などを「簡単に」しか記載してこなかった。裏を返せば、
「歌・曲だけを聴いて判断して欲しい」という「自信の表れ」だったのかもしれない。
このアルバムがリリースされた当時も、雑誌「スコラ」という男性誌にスタッフの談話として
「明菜のアルバム作りは毎回寿命が減ります」「罵り合い、時にケンカにも」
「でも完成したら、涙を流して抱き合います」などと載っていた。こういうスタンスでアルバムを
作っていた歌手が当時何人いたであろうか?90年代以降の明菜は、優秀なスタッフに恵まれて?
人間が丸くなったそうである。でもファンとして言いたい。
「アーテズト:中森明菜は、いつまでも尖っていて欲しい」とーーーーーー。
※アルバム「Femme Fatale」は、「クロス・マイ・パーム」を超えた 洋楽(志向)アルバムなのであるのだ...

