京都駅上りのホームで見送る3月11日のぞみ370号。あなたと過ごした時間はわすれない、とわたしは去り際に彼に言った。人知れずな旅だから現地集合現地解散は常の事だけど、いつもと違う雰囲気に彼は気づいていた。「先に行っているから、待っているから」彼はそう言い残して、そして、車体のドアが閉まる。

 わたしのまだ旅は続いている。スーツケースのなかには1400余りのお話が詰まっている。

 ほんとうにありがとう。また会いましょう。


 わたしは駅を出る。見上げれば、冷たい風と青い空があった。
 
 仕事も恋愛もうまくいかないときだってあるのは、よくわかっている。バスルームのシャワーを浴びながらおいおいと泣けば、ほんの少しだけ気が済んだような気がした。でも、風呂上がりの涙で腫れた目元とても酷くて、また悲しくなる。点けっぱなしのリビングのテレビからは数年前の震災の様子が映し出されている。わたしはまだ濡れた髪をタオルドライしながら、ひんやりとした顔マスクを貼りつけて静かに目を閉じる。

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 いままで気づかなかったけれど、その男とかかわった後の大概はからだが熱い。ベッドの上でおおきく脚をひろげたあいだに四つん這いになって男のものにくちびるをよせるのだけれど、おまえこれ好きだろ今夜もおかしてやるよと甘く囁くわりにはたいしたものではないから、その男とまぐわうたびに白けてしまっていた。でも、その帰り道にはからだじゅうが火照っていて、さらには、ときおりシャツの上から触れるだけでひりひりとして身悶えることがあるので、からだが応えるってこういうことなのかしらとその男との相性を妙に納得をしていたのだけれど、つい先日、職場の若い男にそんな話をしていると「先輩、それ発疹ですよ」と苦笑いされた。そして、ぼくにもそんな拒否反応でちゃったらどうしよう、といいながら私のシャツのボタンをはずしてゆく。