抱きしめられる事に関してはなんでもない、やっぱり相手次第…

 

絹の様に、自分自身が綿となる抱きしめられる事が理想な気がする。そんな、

事は今までにはないことなのだが…


 その後の事は感じない人形の様になっていく自分が分かった。



 キスを強引にさせられ、胸をまさぐり、吸われ、意図して下を脱がされて、指で遊ばれる光景があった

 
 

体は至って冷静で、頭も反応をしない。そんな出来事だった。



 開放されて、呆然と立ちつくす私に、


 「じゃあ、、又明日な、遅れないようになっ。あと、合宿終わったら家の事よろしく頼む。」

 後ろ向きで、手だけを振る”あいつ”が妙に馬鹿に見えた。

 自分は何だろう、何でいるのだろう、存在意識がなくなりかけた後だった。

 


 部屋を出た私は、自然にふらつき、屋上まで出ていた。



 月明かりのまぶしい夜で、昔好きだった子のことや、楽しい事を思い出そうとした。


 しかし、何も思い浮かばない。静かな夕闇だけが、好きだった。


 何も語らない、いわない、迷惑をかけない、唯一の空間が好きだったのかもしれない。


 今の気持ちは誰にでも理解できない。


 力強く生きる事はしたくない。


 息をすって、吐いているだけでも苦痛になる瞬間があるというだけは分かって欲しかった




 誰かに…




 辛い…本心




 負けない、そんな気持ちも出てこない



 初めての、女になったこの日を早く忘れ去りたい。

なんで、私が…そうしか思えない話の内容だったので、何とも言いがたい屈辱感を味わったみたいで…

 次の言葉も更に突き刺さった


 「今日からお前は、俺の家族だ…。だから、何でも遠慮なしだな。部活の時は監督とキャプテンだ。その他は何でも行ってくれ。なっ。」


 声が笑いながら言う”あいつ”の不適な笑みは、当面この記憶から消せそうにはない…


 ましてや、本気で家の事を手伝うのだけは。


 ましてや、母親が勝手に何でも私の承諾なしに、決める事自体以上な事なのに。


 何を考えているか、やっぱり自分の都合しか考えられない、そんな大人は大嫌いだと改めて思った

 つれづれに、夜の中庭を照らす明かりが、部屋まで到達していたが、さすがに22時を越えた辺りで

 真っ暗になった。

 そして、大きな”あいつ”の影は、私に近づき、そっと腕を捕まえて、手繰り寄せるかのように、抱きしめられた

 なんて、居心地の悪さだろう。好きになった人でさえも抱きしめられた事がないのに…

 許せない、許せないと心の中に鼓動として伝えたかったかが、それが口に伝達し、音で発する事が出来ない

 夢であってほしい、今すぐ醒めてほしい。

 そんな事を思いながら、目をあわそうとする、”あいつ”から一生懸命な抵抗をして、顔を横に向けた。
 
 本気で人を愛せられるのだろうか、真剣に恋ができるのだろうか、疑問だ

 夜の風景は一瞬、黄色白く薄暗く、外の電灯だけが、優しかった事だけが覚えている。

 夕方からは、体育館で夜の21時までの練習で、スパイク連打や、レシーブ何十通りの練習に体育館の床は

 それこそ汗の海となった


 私たち2年生は2度目なのである程度予想はついていたものの、1年生は初めての経験でそれはそれは

 キツイものとなった。途中で吐き出す者、意識不明近くになる者様々な変化のする者がいて、それらのメンバーの

 処置にあたるのもなかなか出来ないまま、練習はとめどなく続いた…


 監督の激しい罵声は誰も居ない事に天井ま怒声が響き渡り、さらなる威圧感を与えた

 猛練習はこれでおしまいということで、最後は体育館を何十週も周り、さすがの初日はこれにて終えた…

 ここからだ儀式の始まりは…

 夕食も終わり、下級生から風呂に入る事にしている私たちは、向こうの方から同学年の”真由美”から

 「なんか、監督が読んでるってよぉ~」

 と… こんなときにもかぁ~かなり青ざめる私は、渋々監督がいる、別棟で、渡り廊下のある、5回の書道室
 まで向かうことにした。

 そこには、何もなく布団が敷かれているだけで、荷物も綺麗にまとめてあった

 幾度となく、こんな場面を経験している私としては、どうすべく事も出来ず、ただ立ちすくむ

 体は本当に疲れていて、動かない状況で…

 
 「座れ、話しがある。」やみくもにそういうと、言うとおりにし、神妙な顔つきでこう言った・

 「実は、妻が急に倒れて、おまえに家の面倒を見てもらいたい、さっきお前のお母さんにも言ったんだが、

 快くOKしてもらった」

 …絶句、言葉を失ったとはこの事だ…