駅に着いた瞬間、なにか身震いを感じた。


 いつも、良くない時があったときに限って起きる。


 前は、祖母がなくなったとき。朝だった。春の陽気にもかかわらず、朝からだ。

 その前日の深夜になくなっていた。


 かなり、嫌な予感をした。

 
 それを気にしつつ、ユメトの事も気になった。


 再びベルがなった。
 「ワカツタ。ジヤアオボンマデタノシミニシテル」


 向こうも楽しみにしているとなると、嬉しくなった。


 自分も勿論楽しみにしているが、それでも今の現実を全うした
 気持ちの方が、強かった。



 公衆電話を探して、自分も返した。

 「ウン、ジブンモタノシミニシテイルネ。」



 今日も熱帯夜にもかかわらず、心のなかからホンワカ暖かくなる様な気がした。


 現実に誰かに思われている。まだはっきると好きかどうか、分からないけど、
 確かな彼への「想い」はあった。


 実に清清しい。妙に恥ずかしい気持ちが入り乱れている。


 恋をしているのかもしれない。肝心な事を真由美に伝える事を忘れたのを思い出した。

 でも、今はそんなところではない。少しづつ問題をクリアーにしないとなぁ~…

 


 



 翌朝驚愕が走った。
 


 母親から朝の6時だといいのに、たたき起こされた。

 「あんた、大変よ、すぐテレビ見なさい!!」


 眠気眼で、かなりボォ~っとしていたが、一気に正気に戻った。

 その事実はテレビの赤の他人のレポーターから伝えられた。



 「昨日、夜9時ごろ、横浜線沿線の鴨居駅で、高校生が何者かに突き落とされて死亡いたしました。
  被害者は市内の高校に通う、1年生の鈴木清海さん。16歳と判明しました。
  顔がひとく損傷され、身元の確認まで時間がかかりましたが、日にちが変わりました未明に
  判明。変わり果てたわが娘を、泣きじゃくる両親の姿が、大変いたたまれない状態でした。
  何者かに突き落とされた清海さんですが、現状警察は事故・他殺・自殺の3点から調査をしており、
  目撃者か更に詳しい状況を聞きだし、手がかりに全力で捜査をするとの事です。
  以上現場からお伝え…。」


 そこでテレビを消した。



 あぁ~昨日の事といい、帰り際のあの事妙に明るい素振りをしていたこと。

 全私たちを安心させる為だったのね…あの子はもぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…


 一気に力が抜けて、そこに床に伏せたままかれるまで泣きじゃくった。

 なんで、なんで、なんでと連呼して…。


 泣き果てるまで泣いた日だった。



 多分、真由美も同じ心境だろう…そんな事を思いながら、



 あの子と最後に写った、プリクラを自然と愛しげに眺めていた。