ふー、終わった終わった
イースター休暇前、すなわち日本一時帰国前と言い換えることができる今日なんですけれども、幼稚園から請け負ったエプロン作りが完成いたしましたよ。
サラマ若い頃はお洋服がそこそこ好きだったんですが、カンボジアに住んでいた時にすごく私のセンスを好いてくれるショップオーナーさんと巡り合い、オーナーさんが商流を持つ東南アジア圏のショップに流す洋服デザインのお仕事をしていたのです。
刺繍デザインもできあがったものをいくつかのショップ、カンボジア外にも売ったのでね…もしかしたら…あなたがいま手にしているその刺繍…サラマデザインかもしれませんわよ
その過程でテイラーさんなどから洋裁を学び結果としてミシンが使えるようになったのですけれども、園から依頼されたデニム布のエプロン8着、完成が見えずにめちゃくちゃ焦りながら過ごした先週でした
縫い目のデキとかは気にせず力業で終えた感じ
こんな縫い目本来なら私のプロ意識が許さないのだがマシンが家庭用簡易ミシンだから仕方ない…
週に何回か幼稚園に通い子供たちの声が聞こえる傍ら職員室で作業をしていたのですが、普段我が子がどのように園で過ごしているかをリアルに垣間見ることができたことが母としてなににも代え難い収穫でした
日本に限った話ではなく、デンマークに限った話でもなく、古今東西、保護者が来る日にだけ対外的に見せる顔を備える施設というのは存在すると思うんですよね。
サラマは幼少期の我が子の傍にどういう人間を望むかと聞かれた場合「心ある人」という言葉が出てくるタイプです。
働く先生がどれほどモンテ実践者としてのトレーニングをつんでいるのかだとか履歴書持っているかだとかなにが教えられるかとか、正直、私にはどうでもよくて。
たとえば理論に寄って心を通わせない先生に我が子任せるよりは、別にモンテ無資格だろうといいから子供の目線まで腰をかがめて、目を見て話を聞いてくれて、時に抱きしめてくれる人に任せたいのです。
もともと見学の時点で先生同士の人間関係が良い空気感が垣間見えていたのでそれを決め手として我が子を今の園に通わせることにしたわけですが、「ミシン、好きな日に好きな時間にやりにきてくれてオッケーよーん」とディレクターから連絡を受けた段階で「抜き打ちで行って構わないだなんてええ度胸だのぅ」と感嘆した私なのでした。
ディレクターのいないところで平のスタッフたちが子供に冷たい対応している可能性だってないわけじゃないよね?
どれどれ隅々までみてやろうじゃないの、だなんて思いで乗り込んだのも事実なんですが、あっぱれあっぱれ、どの日のどの時間にお伺いしても、先生たちは360℃すこぶる感じがいいのでした
先生たちが業務の合間に交わす会話、子供たちへの対応、注意の仕方、なにをとっても「表面的にとりつくろってニコニコしている」感じがなく、我が子がこういう大人と触れ合いながら過ごしていると思うと感謝しかわきません。
ミシン仕事自体は完全ボランティアなんですけどね、先生方の食べるランチは私もいただけるのです
キッチンの調理師のお姉ちゃんが気のいいアメリカ人で私けっこうウマがあって、しかも作ってくれるランチも美味いのですー
デンマークは幼稚園はベジタリアン食のところが多く、欧米は日本よりもベジタリアン文化が進んでいるわけですが、毎度自分では作ることがないメニューが出てきて「これなに?」「あれなに?」「レシピ教えてよ」だなんてやり取りする日々が楽しかった
このミシンプロジェクト、請け負った時には3日程度で終わる予定だったんです。
最初、ディレクターから「このエプロンと同じものをミシンで縫える?」と薄い綿のエプロンを見せて聞かれた時にはこんなんヨユーだわと思ったので「楽勝だよ、いいよ」と答えた私です。
ついでに「縫う布を園側であらかじめカットしといてくれたら縫いで3日もかかんないと思う」などと言い。
ディレクターが「分かった!じゃあ手の空いてるスタッフが切ることにするわ!」と話がついておりました。
が、いざ行ってみると、用意されたのは家庭用ミシンとデニム布…
え!?
お手本で見せてきたのって綿だったじゃん!?
この簡易型の家庭用でデニム布はきびしいよ!?
三つ折り部分なんて針貫通する!?
箇所によってはデニム布6枚貫通させなきゃならないわけでさ!?
…とは思ったのですが、園はエプロン作りのためにこのミシンを購入したらしくて
布地はもう購入されていてなおかつ8着分切られている…だって私がそう頼んだから…
考えてみると、ですよ。
かつての自分がそうだったように、洋裁やらない人からしたらミシンによっては縫うのが難しい布地があるとか、知らんよな…
私が「縫えるよ」と返事した時に、布地の種類まで折り込んで答えたとか、思わんよな…
試しに6枚重ねで縫ってみたらなんとかイケそうだったので、「これ…やるけど仕上がりのクオリティは約束できませんよ」とだけ言い、頑張って、ひと縫いひと縫いの衝撃によって分解してしまいそうなこのおもちゃのような家庭用ミシンでなんとか8着仕上げたのでした。
針、滑る滑る。
糸、絡む絡む。
何百回解き直しただろうか。
子供のいる幼稚園の様子が垣間見れるというプライスレスな経験ができましたが、イースター休暇が迫っていたがゆえ、正直、なかなかに…ストレスでした
終わったからヨシとする!