私は北米は飛行機の乗り換えくらいしか降りたことはなく暮らした経験がないのでなんとも言えないのですけれども、

過去に、ヨーロッパで暮らした時には、周りの扱いの差から「ああ、私はアジア人なのだなあ」という事実を再認識させられる機会というのは少なからずあったんですよねあんぐり

 

20年前のスペインのド田舎や、10年前のフランスでは(それが首都パリであっても)、ルックスについての言及というのは良きにつけ悪しきにつけありました。

20年前だと、イギリスに留学に行った友人から聞くに、アジア系の知り合いが現地の子供から生卵を投げつけられたことがあるとか言ってたわ。私も子供から石鹸の泡飛ばされたりしたことはあるか。

 

サラマも若くして日本とヨーロッパを行き来し始めたために、

そこそこ不愉快な経験も積んでからデンマークに来たわけなんですが、

デンマークにおいては、ななな、なんと、人間として当たり前の扱い、つまりめちゃくちゃ真っ当な扱いを受けながら暮らしておりまして痛い思いをする覚悟でやってきた私としては別の意味でカルチャーショックです不安

これは時代が変わってヨーロッパが全体的に人種の違いに寛容になったのか?

デンマーク人の意識が高いから国籍で人を判断したりしない?

それとも(王族が中華系の女性を迎え入れた過去があったり)東アジア系の人間に比較的好意的なのか?

なぜデンマークがこうなのか、食い込まずに蚊帳の外にいる私には測りかねるんですけれども泣き笑い、つい3年ほど前のコロナ禍に、アメリカやフランスでアジア系住民が攻撃されたり嫌がらせを受けたりしたニュースを聞いたということは、やはり、どんなに時代が変わったとはいえ、人種で他人を判断する人というのは未だ一定数いるはずなんですよねガーン

 

ヨーロッパにおいて、

 

店員に無視されたり、

 

 

 

あからさまに下に見られたり、

言及する必要がない流れの会話のなかで「このアジア人が」と言われたり、

 

もうその程度のことでイチイチ動揺しないくらい慣れた私ですけれども、

 

 

あ、でもフランスで退勤時に貧血起こして公衆トイレの個室(個室が複数あるところ)で座り込んで動けなかったところを、入ってきた掃除婦のおばさんに問答無用でゴミのように追い出された時にはさすがに辛かったな。

これ、私がヨーロッパ人の見た目だったら対応は違ったのだろうかね。こんな扱いされたのは生まれて初めてだったわ、フッ

 

 

 

そういうちょっとした対応の差に「人種差別」という強めの単語を当てはめてしまうかどうかはさておき、

日本国外で育つ我が子たちには、

「自分たちがアジア人である」という事実をリマインドされる機会というのは、

今後の人生において相当数あるだろうと確信しているサラマです。

 

なかには、けっこうしんどい経験もあるだろうと予想します。

なかったらラッキー、でもないなんて奇跡、ないわけがない。

 

見下される経験を積むと理解しますが、

他人を見下す人間というのは、

そこに実際の優劣があるから見下すのではなくて、

相手を見下したいから見下すんですよね。

「この人を見下したい」という意志が先行しているんです。

やりたくてやっている以上、見下すためにはコジつけに近い理由もひっぱってくるわけで、

人の気持ちは変えられるものではないし、どんな正論を以てしても <見下そうという意志を持った人> のことは変えられない。

 

アメリカ合衆国における黒人差別が、実は政治的に巧妙にこしらえられたものだということを主張していたのは、確かアメリカの歴史家アイラ・バーリンだったと思うのですが、ルックスの差というのは一番分かりやすいので印象操作しやすいんですよね。

 <見下そうという意志を持った人> にとって、

ルックスで極端なマイノリティにあたる人間というのはターゲットになりやすい。

ヨーロッパで生きる我が子に限った話ではなくて、

例えば日本における中南米移民のお子さんやミックスのお子さんなど、属する社会においてマイノリティにあたる子供達も。

 

願わくば、避けられないであろうそういう体験はできるだけマイルドであってほしい。

もしも傷つくことを避けられないとしたらば、

それが起こるまでにできるだけ、我が子が自分に対する肯定感を身につけておいてほしい。

 

どんなに親が工夫したところで <見下そうという意志を持った人>たちに対峙した時に我が子が傷つかずに終われないだろうことも経験上知っているし、

そもそも私の好みとして見てくればかりにウェイトを置く価値観を子供に根付かせたいとは全く思わないのですけれども、

 

子供時代という視覚情報に依存しがちな年齢のイベントには、

親の努力でどうにかなるのであれば努力してなるべく可愛く仕上げて、

周りから「ケニ子ちゃん可愛いね飛び出すハート」って思われるようにしてあげたい。

褒められるように仕向けてあげたい。

 

と、イベントごとには、ついつい頑張っちゃう母なのでした指差し