<コロナ感染者がヨーロッパで増え始めた2020年2月(過去)の話です>

 

予想通りの拡大スピードでヨーロッパの感染者は増えていきました

 

特にイタリア。

日本がダイヤモンドプリンセス号のニュースでもちきりだった頃、イタリア北部では中止しなかったイベント(サッカーの国際試合とかね…)を促進剤として感染爆発状態。

その後バタバタと人が亡くなっていく状況は、21世紀の現在近隣国で起こっていることとは到底思えず、ヨーロッパ中に激震を与えました。

 

デンマークでは2月27日に初のコロナ患者が確認されたのですが、

私はコロナのニュースを初めて耳にした2月2日あたりの時点から

もうデンマークにも拡がっているに違いないという予測に基づいて

ケニ子ともどもスーパー以外になるべく外出しないようセルフロックダウン。

 

私は妊婦だし、

デンマークのホスピタルからはいつまでたっても「うちの病院で出産していいですよ、受け入れますよ」的な連絡がもらえないままの状態だし、

夫のエチオピア出張からの戻りは謎に延びてるし、

武漢からの悲惨な映像はSNSを飛び交うし、

なんだか日本でもちらほら感染者が増えてきているし、先が見えなくて怖かったです。

 

 

 

 

「もう、これ、私、日本に戻って産んだほうがいいんじゃ…チーン

 

イタリアでは、現場に患者を受け入れるキャパシティがなく、実質的な医療崩壊。

これデンマークでも起こりえる、と率直に思いました。

通常運転の状態から(クリニックを通過した)限られた人数に受け入れをしぼってまわしているデンマークの病院が、怒涛のごとくなだれ込む患者をさばけるのか、というハナシ。

 

デンマークはいまだホームバース(自宅出産)がフツーに選択されうる国なので(私も、ホスピタルに提出する希望として、自宅で産みたいかどうかをクリニック医に確認されました)、

もしかしたら「コロナ用に病床空けておきたいから、今年産む人はみんなホームバースでお願いしますパー的なことを政府から要望されるかもしれないぞ、と、勝手に危惧。

(結果、そんな事態は起こりませんでした。私の杞憂です)

 

高齢出産なのに!!

見知らぬ国で、そんなのムリガーン

アラフォーのサラマは無駄にいろんな事態を見聞きし過ぎていて、無邪気にホームバース挑める余裕ないからゲロー

 

夫がエチオピアから帰ってきた2月下旬にはもうイタリア北部は封鎖状態。

神経をとがらせながら新居で暮らしていた私の心は、帰国の決心を固めておりました。

相談とかじゃなく、独断で決意。

 

そりゃ、第二子出産に夫立ち会わせてあげたかったよ。

かけがえのない新生児期を一緒に過ごさせてあげたかったよ。

生まれてきた赤ちゃんを人生スタート切ったその日から家族みんなで祝福しながら迎えてあげたかったよ。

 

でも、そこにこだわってみんなで共倒れする(または、後悔する事態に突入する)よりは、全員にとって、いまとり得る最善の選択をするほうがいい。

当時はそう思ったんですよね。

 

「俺には止めれんしな。自分が一番納得して出産に挑める選択をしたらええやん」と夫。

 

3月アタマの日本行きのチケットは、もともと帰国を予定していたので、おさえてありました。

デンマークへの戻りのチケットを捨てる覚悟で、もともとあったそのチケットを使うことに。

 

やがて、デンマーク初の感染者確認。

とんとんとん、と、次々に感染者が見つかっていきます。

 

「間に合いますように…不安

 

デンマークでもいつイタリア北部のように行動制限がかかるかわからないと思いました。

不測の事態によって帰国が成せなくなるかもしれません。

なんてったって、数日前に日本に帰国したベトナム在住の友人は、(それが日本政府の方針だったのか、ベトナム政府の方針だったのかは忘れましたが、)荷物をかき集めて幼子2人子連れで飛行機に搭乗したものの、搭乗後に飛ばすか飛ばさないかの政府間の交渉に入ってしまったそうで、離陸待ちの状態のまま機内で何時間も待つことになっておりました。

結果として友人の乗った便までは日本側が受け入れてくれることになり間一髪で滑り込むように日本の地を踏めたそうですが、彼女達の次の便以降からは日本発着便が止まったそうです。

 

(ベトナム含めたアジア諸国も、欧米よりもひと呼吸遅れたタイミングにはなりますが、その後かなりハードな行動規制を入れる展開に。)

 

 そして、

 

 

 私が娘を連れて逃げるように飛び立った1週間後、デンマークはヨーロッパで二番目に国境を封鎖。

いわゆるロックダウン状態になったのでした。

 

 

 

-------------

2022年、ついこのタイムリーな友人との会話下矢印下矢印下矢印

デンマークには日常が戻ってきています。