●人工物と自然物
人工物ー内部環境、外部環境、目的
人工物ー(接面:インターフェイス)-自然物
●シミュレーションの技法
・シミュレーション→システムの行動を理解し、予測するための一つの技法として、ディ
ジタル型のコンピュータが出現する以前から使われていた。
・シミュレーション→未知の事柄を教える役割
・デザイン問題に対するシミュレーションの利用
内部システムの構成要素の行動の基本法則が分かっている。
↓
構成要素の組み合わせが全体にどのように影響するかを予測する目的でシミュレーション
が行われる。
<EX>気象の理論や天気予報の方法を導き出したい
→局地的な大気に関する方程式を既に知っている
→膨大な変数の相互作用の結果を、コンピュータを用いて計算する
●理解が不十分なシステムのシミュレーション
・内部システムの構成要素の行動の基本原則があまり分かっていない。
↓
この場合でもシミュレーションが役立つ
(理由)
現象からその細部を取捨すればするほど、現象のシミュレーションは容易になる。さらに、
システムの内部構造全てを知っていたり、推測する必要はなく、抽象化に是非と
も必要な部分だけを知っていればよいのである。
引用:このように屋根から土台へと築いていく式の、宙に浮いた摩天楼の建設のような科
学の発展が可能であったのは、各レベルにおけるシステムの行動を決めているものが、そ
のシステムの一つ下のレベルにおけるごく近似的で、単純化された、抽象化された特性だ
けだからである。~人工的システムと適応的システムは、その特性ゆえに、単純なモデル
を使用するシミュレーションの対象として、とくに適している。その理由は、この章の前
節で説明したこれらのシステムの性格からであろう。関心の対象となっている行動が、シ
ステムの構成要素のうちごく少数の要素特性だけに関係しており、しかもそれらの構成要
素の組織からでているときには、内部構造が違っていても、そのシステムの行動が類似す
ることは十分ありうるのである。したがって、多くの目的のために、ある一つの材料につ
いて、その張力や圧縮力の強さといった特性だけに関心が払われる。
●人工物としてのコンピュータ
「そして、ある人たちはコンピュータサイエンスが生成してくるにつれて、それは必然的
に経験科学というよりは数学的な科学になるであろう、という誤った結論に達している。」
→ ??。コンピュータサイエンスは経験科学か?そもそも経験科学とは何か???
経験科学→「観察・実験等、人間の経験からわかったたしかな事実を基礎としてして成り
立つもの」
・TSSのように非常に複雑なシステムに精通している人で、理論が実際を不必要と考え
ている人は、おそらく一人もあるまい。そのようなシステムを理解するためには、システ
ムを実際につくり、そのはたらきを実際に観察しなければならない
→コンピュータサイエンスはロジックだけじゃダメ。実験や観察とロジックのWアプロー
チが必要!!
●コンピュータ、指向
「プログラムの一見した複雑性は、かなりの程度まで、そのプログラムが適応せんとする
環境の複雑性にほかならない」
以下、引用。ココは重要
「プログラムと環境の関係がこのようなものであるため、コンピュータ・シミュレーショ
ンは、人間行動をより深く理解するための方法として、非常に重要な役割を演じるように
なっている。というのは、コンピュータの行動を決めるものが、その構成要素の物的特性
ではなく、その組織であり、また、コンピュータが人間の姿に多少とも似せて組織されて
いるのであれば、コンピュータは、人間行動についてのいくつかの代替的な組織的仮定の
帰結を研究するための、ひとつの明白な手段になるであろうからである。構成要素のデザ
インの問題が、神経学的に解決されるのを待つことなく、我々は心理学の研究を進めるこ
とができるであろう」
認知科学に通じるような部分↑
●記号システム
人工物
↓
記号システム - コンピュータ、人間の精神、人間の頭脳
↓
・純粋な人工物。環境への適応がその存在理由全てだから。
・より大きなシステムのために機能
・目標追求的なシステム
・記号を用いて、環境を表現可能
・記号を用いて、環境に対する行動を表現可能
↓
「知能は記号システムである」
という仮説
●経済的合理性:適応機構
<実質的合理性>
知的システムが外部環境に適応
正しい行為の代替案を見出すこと
<手続き的合理性>
知的システムが知識や計算を通じ、適切な適応行動を見出していくシステム能力
良い行為の代替案がどこにあるかを計算するその方法の発見
EX)ORとAI
OR:
・極めて単純なモデルを用いいる(数学的な制約条件をつけて問題を単純化)。
・最適解を出してくれる。
AI:
・現実世界をORよりも詳細に近似。現実に極めて近いモデルを用いる。
・ORよりも複雑かつ巨大な問題空間の中で、発見的探索
・最適解を得ることは困難。よくて満足解
・数学的、言語的あるいは図示的に表現される、あらゆる問題に適用可能。
・ORとAIの利用者は中間管理職
・トップマネイジメントは、経験による判断。OR+AIなんか使わない。
OR-既に知られている代替案を選択するのみ
AI-代替案の「生成」までできる→つまり「デザイン」の問題までいける!(ここはデー
タマイニング、チャンスハッケンとも絡む)
●満足解・最適解
・人工システムの行動は、そのシステムがもつ適応能力の限界によって、非常に強く影響
を受ける。
・満足解:十分良い。
・最適解:最善の手。
実際の人間は、満足解を得ながら、経済活動を行っている。(∵ 適応能力の限界のため)
●資本主義と社会主義
以下は引用
「我々は通常、資本主義国の調整には主に市場が用いられ、また社会主義国の調整には主
に階層組織と計画策定が用いられると考えがちであるが、しかしそれはあまりにも単純化
をしすぎている。(中略)資本主義社会の経済単位は、大部分が企業であるが、企業はそ
れ自体が階層組織であり、しかもそのうちのいくつかはきわめて大きなものであるが、そ
こでの内部活動には、市場メカニズムはほとんど利用されていないのである。大雑把にいっ
て、、人間が担う経済活動の80%は、企業などの組織の内部環境の中で行われているの
であって、組織の外部の市場の中の組織間の環境で行われているわけではないのである。
→「資本主義→市場と組織の経済」
●期待
・フィードバックは安定をもたらす
・フィードフォワードはシステムに安定を齎すとは限らない。むしろシステムを不安定化
させる可能性すらある。バブルや投機が、その例
10:00- 12:00 英語
15:00- 19:00 システムの科学
●デザインの科学
・自然の事物について - 科学
・人工物(望ましい人工物をいかにつくり、いかにデザインするか?) - 工学
デザイン - 全ての専門教育の核心であり、専門知識を科学的知識と区別する主要な標
識
・引用:「専門家活動におけるデザインの中心的な役割を考えるとき、今世紀に入って、
自然科学が専門学部のカリキュラムから人工物の科学をほとんど駆逐してしまったことは、
皮肉な現象であえる。工学部はしだいに物理学部や数学部になってしまい・・」
「このような普遍的な現象には、基本的に理由があったはずである。個々の工学部を含め
どの専門学部も、総合大学の一般的な雰囲気を見につけてしまい、ますますアカデミック
な体面にあこがれたのである」
→つまり工学の組織が一般の大学の元に置かれるにつれて、「デザイン」の部分が薄れ、
「アカデミック」な方向へシフトしてしまった。→使えない工学を教える組織になってし
まった。
・自然科学ー日常の論理体系でOK
・デザインー理想の人工物をつくる必要性。「べきである」を達成するために新たなフレー
ムワークが必要??
・デザイン のために「様相論理」は不要(不可能ではない。ただ不要であるということ)
・ならばデザインに必要な「論理」体系とは何か??
↓
引用:「推論の厳密さの規準が人が要求しうる限界一杯まで行動な、デザインの活動も相
当広範に存在する。私はここでいわゆる「最適化方法」の領域について言及しているわけ
である。それは統計的決定理論やマネジメント・サイエンスにおいてもっとも高度に発展
したが、しかしエンジニアリング・デザイン理論でもまた次第にその重要さを増しつつあ
る。確率及び効用の理論ならびに両者の交点は、たんに実際のデザイナーや意思決定者か
らだけでなく、最近の世代でもっとも傑出せる多数の論理学者や数学者からも、大いに着
目を集めている」
<最適化方法の論理>→命令論理パラダイムへ
==デザイン問題の内部環境==
・代替的な行為の集合(詳細に与えられる場合、命令変数によって指定される場合)
→利用可能な手段や選択肢に相当
→今日の昼食の最適化なら 命令変数:={生協、コンビニ、弁当屋}
==外部環境==
・パラメータの集合(決定的な場合、確率的な場合)
==適応==
・内部環境を外部環境に適合させるための目標=効用関数
・効用関数:多くの制約条件が付く場合もある
・効用関数:スカラの関数。命令変数と環境パラメータから構成
==最適化問題==
・環境パラメータが与えられたとき、効用関数→MAXにする命令変数を見つける。
・確率的な場合は、効用関数の期待値を最大化
・または規準を満たす解(満足解)を発見する。
(*)SOARSのパラダイムと近い????
(*)ここで挙げられる事例は、数理生物学の議論とも近い??
●代替案 探索過程
・目標追求システム
-感覚チャンネル(環境を取り込む) 感覚的情報
-運動チャンネル(環境に作用する) 行為情報
・目標達成能力
-感覚情報と行為情報を結びつける能力
・幼児は、感覚世界と行為世界が完全に分離した状態。それを次第に結び付けていくのが
成長過程。
・GPS
ー現在の状況
ー目標とする状況
ー目標と現在の差異
ー状況を変化させる行為
を表現する必要性がある。その上で、
ー現実と目標の差異を減少させる行為の選択
を行う。(無論、目標達成のためには「行為の連鎖」が必要。つまり複数の行為の系列が
必要)。この選択を行うために、
ー目標と現実の差異がどの程度減少したかを見出す力
ー代替案を試行できる力
が必要となる。
・ここで、「感覚世界」と「行為世界」を結びつける→結合
●資源配分としてのデザイン
・費用計算。Cost-Benefit Analysis
・
●デザイン過程
・複雑なシステムをデザインする方法
→多数の機能的部分に対応した構成要素に分解する適当な方法を見つけること
→しかし、このような「機能の分割」、プログラミングの世界でいうところの「モジュー
ル分割」が最も難しい!その「モジュール分割」の方法論こそが、複雑なシステムをデザ
インする方法論でもある。
・引用:「私はデザインされたものの形態と、デザイン過程の形態及び組織とが、デザイン
理論の不可欠な構成要素であることを、いまや十分に説明してきたと考える。」
→つまり、デザイン結果が「満足解」になるだけでは不十分。デザイン「過程」も「満足
解」となるようなデザインが必要→ゲーミングの発想の端緒???
引用:「複雑なシステム、例えば都市や建物や経済をデザインする場合、我々はある仮定
された効用関数を最適化するシステムをつくることを、断念しなければならない。そして
いま述べたような種類のスタイル上の相違が(上位モジュールから設計するか?下位モ
ジュールから設計するか?というような問題)、「より良い」あるいは「より悪い」とい
う形で評価される諸代替案を反省するよりも、むしろそれがデザイン過程で大変望ましい
変数を反映しているか否かを、われわれは考えなければならない。満足しうる制約の範囲
内であるならば、多様性それ自体望ましいとも考えられるのが、その理由はとりわけ、多
様性によって我々は結果に対してと同様に、探索に対しても価値を付与することができる
からである」
→つまり「結果」よりも「プロセス」
●デザインの表現
・引用:「数学というものはすべて、私が前章で指摘したように、その前提の中に暗黙の
うちに含まれいるものだけを結論として引き出すのである。したがって数学的な展開はす
べて、もともとは真であるがはっきりしなかったものを明確にする、表現上の変化として
みなすことができる」
→「問題」を、いかに「表現」するかで、問題解決の容易さが変化する。つまり、設定さ
れた問題をいかに「表現するか」は、とても重要な問題。
→数学という体系は、問題解決を容易にする表現 であり、 汎用性の高い問題解決ツー
ル
→フローチャートや自然言語、オブジェクト指向言語も、問題表現の一つ
→「問題表現」という問題は、社会科学における、一番大きな問題では??
●デザインの科学における教育
・与えられた代替案選択対象から合理的な選択を行うための論理的枠組みとしての、効用
理論と統計的決定理論→期待効用理論(EU)、プロスペクト理論、ある種のドメインナ
レッジ?
・利用可能な代替的選択対象から、最適値を計算するテクニック
(EX)LP,DP,幾何計画、待ち行列、制御理論
・標準論理の代替案探索への適用
・差異に対する並列的、準並列的な要素分解の適用
(EX)目的ー手段分析(感覚空間と行為空間の結合)
・部分的に探求される代替的な行為を探索するための資源配分
(EX)費用ー便益分析
・複雑な構造の組織がもつデザイン過程構成への意義
●S.サイモンの主張
・人間の知は単純
・人間の外の環境が複雑
・よって、人間の行動は複雑
つまりシステムの行動の複雑さは、その環境の複雑さに依存する。内部構造の複雑さに依
存するわけではない!
●●●社会計画:進化する人工物デザイン●●●
●表現としての組織
引用:「ECAの組織にとって、6つのアプローチはそれぞれ何らかの正等な根拠のある
ものであったが、これらを全て同時に行おうとするとどうしてもその機関の内部やその顧
客たちの間に、混乱が生じてしまうのである。必要なのは「正しい」概念化ではなく、す
べてのメンバーに理解され、かつ行為を妨げるよりもむしろそれを促進させるように概念
化することなのである。」
→最適解を選択すること ではなく、満足解を得るまでのプロセスの最適化 が重要!
●情報システムとデザイン
・米国の第一世代の経営情報システム
→管理者に「多くの情報を提供し過ぎる」失敗を犯した。→失敗
・情報分配システムを設計するのではなく、知的な情報濾過システムの設計 が必要!
●問題の表現
・問題に対し、「説明できるような」こそ決定基準
・複雑な問題を「適切に表現すること」
→解決努力を組織化
→提示された解の評価
・機能的な推論を可能にするような「表現構造」が大切。問題を適切に表現した上で、各
専門家が協力し、1+1=3な意思決定を下すことが必要。そこで得られる解は、決
して最適解ではないにしても満足解であり、かつ組織の構成員(決定された事項を遂行す
るメンバー)が納得のできる解でもある→円滑な政策の実行。
もし問題の表現のされ方が「適切」でないならば、専門家が協力して意思決定を下すこと
が不可能になり、満足解が得られない。そのような中で下された事項は、決定を遂行する
人が納得できる解でもない→微妙な政策の実行、失敗
・問題解決の本質:問題を「数学化、数値化」することが本質なのではなく、
問題を組織的解決可能な形に、「分かりやすい形で表現」することが本質。エグゼクティ
ブな立場の人に求められるのは、この「表現」の部分であり、専門家に求められるのは、
その「表現された問題」を解くこと??
●予測
・良い予測のための条件は、
- 予測対象の理解の度合い(理論の良さ)
- 初期条件をつくるための信頼の置けるデータ(初期条件の良さ)
・デザインのために「予測」は絶対必要?→NO!
(カオスのような系を予測しても意味がない という議論が他の本でなされていた。)
・デザインのためのデータの利用法
→予測:NO!
→未来に対して代替的なシナリオをつくり、理論とデータに含まれる誤りについて感度分
析を行うこと
・短期、中期、長期に時間的視野を分けた上で、それぞれの時間におけるシステムの目標
状態を議論・検討することが必要→現状から目標へ至る到達経路を構想
・引用:「もしも遠い未来の事柄が詳しく描かれなければならないとしたら、未来につい
ていま関与しなければんらないことの指針を与えるのに十分な事柄だけを、理解あるいは
推測すればよいのである。現在かかわりをもたなければならない事柄に対し何の影響おも
ないような未来の出来事は、デザインには無関係なのである」
→つまり、未来を予測するにしても、「今」とるべき「政策」に関係のある未来のみを理
解・推測すれば十分ということ。それ以外の部分まで予測しても無駄。むしろ不正確な予測は混
乱さえ齎す。
→デザインのために必要なのは「システムの未来を予測する」というよりは「システムの
今(そして将来)を理解する」ことなのでは?→つまりデザインのために必要なのは「予
測」というより「理解」
→ここでR・アクセルロッドの社会シミュレーションの目的に関する議論(社会シミュレー
ションは「理解」するためのもの)が効いてくる。
●フィードバックとフィードフォワード
・フィードフォワード→「予測」
・システムは、フィードフォワードでも、というよりも、フィードフォワードだけのほう
が、上手に機能する。つまり「予測」型制御なしのほうが、うまく機能する。フィードバッ
ク(事後的な調整)はフィードフォワード(事前の予測による調整)と比べ、遥かに効果
的。
・システムが外部環境に適応するためのメカニズムは、
+フィードバック(変化に対する事後的処置)
+ホメオステイシス(恒常性であり保存性)
・フィードバックによってシステムが発散してしまう可能性もある。フィードフォワード
が無いほうがシステムがうまく動く場合もある。
●顧客
・社会システムのデザインにおいて「顧客」は誰か?
・専門職の場合、「顧客」が誰かは「はっきり」している。社会は??
→専門家は「顧客」のためだけに働けばよい→限定された合理性
→ところが最近、専門家の役割が複雑化している
●専門家ー顧客
・「専門家」は「芸術家」としての自分と、「専門家」としての自分の板挟みになりやす
い。専門家は芸術家として自分の納得のいくものをつくりたい。それと同時に、専門家は
顧客満足を満たす必要もある。
・「専門家」が担当する分野のあいまい性ー建築家は建築の専門家だが、建築家が担当す
る分野は建築から社会システムの構築まで広い(この2つの分野の間に境界線が無い)。
・エンジニアは、属する組織の規準にあわせるのか?それとも個人の規準でい
くのか?
・専門家、というより広い意味でデザイナーの顧客は誰か?
・デザイナーの顧客=社会全体 → ナンセンスな回答
・デザイナーのデザインを実行に移すためには、顧客がそれを理解し、実行に移す必要が
ある
(EX)医者が自分の診察を実行に移すためには、患者が医者の処方した薬を服用する必
要がある。
・そのために、顧客の行為に対し「動機付け」を与える必要がある。
・そのためには、顧客自身が「デザイナー」である必要がある。
誘因:組織→組織構成員に与えられる見返り
貢献:組織目的達成のために、組織構成員→組織に与える。
誘因と貢献のバランスを考えた組織設計:組織論
・社会設計においては、このような「顧客の反応」を念頭において行われる必要がある。
つまり社会設計によって国民がどのような反応をするかという部分まで考えて、制度設計
を行う必要がある。
●デザイン、時間、空間
・3世代前後の話は、「同情」できる。それ以上先(または前)の話は、「知的興味」の
対象。人間は、時間的、空間的にとても遠い事象について、目的を定めることは困難。
・つまり人間は、時間的、空間的に離れれば離れるほど、それに対する重要度も低下する。
→これによって、人間は「限られた計算能力=限定合理性」で意思決定が可能になる。
・人間は、「近い将来に対してしか予測できない。」「またその結果は、発散である。」
ことを自覚している。→人間は遠い将来に対して無関心
●長期的な計画
・目先のことばかり考えて動いてしまう組織→NG
・対処策:組織から切り離された計画作成用のグループを作る
・注意点1:そのグループが現業部門から引っ張りだこになり、結局計画できなくなる。
・注意2:そのグループが現状部門から離れ、結局誰も計画を執行してくれない。
・このようなことを防ぐために組織の指導層は絶えず、このグループに注意を払う必要が
ある。
●目標が無い場合のデザイン
・都市のデザイン問題
・最初のデザインがそのまま実現するかどうか→大きな問題ではない。
・実施が長期にわたり、しかも実施過程で絶えず修正が加えられるようなデザイン過程が
必要→政策のデザイン過程が重要。実施された結果でなく、過程が重要
(EX)油絵 - 「キャンパスと画家の循環的な相互作用過程」
・デザイン過程は、
初期目標→デザイン→新たな目標→デザイン→新たな目標→デザイン→新たな目標→デザ
イン→最終物
さらに、これらのデザイン過程におけるデザイナーのモチベーションは、最終物の役割。
つまりデザイン目的が果たす役割。
つまり、デザイン過程の各段階で新しい状況がつくられ、その状況に応じてデザイン目標が作られ
る。つまりデザイン目標が動的に変化していく→動的計画????
→このことは、デザインの目標はデザイン自体である ということと(準)等価
(∵デザインされたことを土台に、さらに新たなデザインを行う、動的計画過程のおいて
は、デザイン自体がデザイン活動の目標になっている)
・デザインは科学と同様に、行為の道具であり、さらに「理解の道具」である。
→デザインの本質は、デザインを楽しむことであり、デザインとは、未知の未来を精緻化
させることであり、未来を知ることである。つまり、理解の道具であるということ。
・デザインの究極的な目標は、「次世代の代替行為案の数を少しでも多い状態にするこ
と」。つまり、柔軟性を保障するようなデザイン。
●初期条件
・「行為」は、その時点における「未来」のための初期条件を決める作業でもある
→やっぱ動的計画。ベルマンのいう最適性の原理につながる?
●社会デザインのために必要なこと
1.限定合理性
2.計画設定のためのデータ(制御理論)
3.顧客の識別(ゲーム理論)
4.計画における組織
5.時間的、空間的視界
6.目標なきデザイン
これらのための数学的ツールは不完全(というか使えない)
●●●7.複雑性に関する諸見解●●●
●複雑システムに関する学問の歴史
第一世代→ゲシュタルト、全体論
(主張:全体は個々の総和以上である)
第二世代→サイバネティックス、一般システム論、制御理論、恒常性
(主張:フィードバックと恒常性)
→一般に「システム論」と呼ばれる事柄の原型が、このときできたと考えられる。
第三世代→セルオートマトン、カオス、GA、適応システム
(重点:複雑性を説明・解析する手段)
→手段を考え始めた点は、コンピュータによる貢献が大きいと考えられる。
●創発
創発には2つの意味。
・(厳密)上位階層で、新たなシステム特性が現れること
・(大雑把)個々が相互の関係をもち、個々以上の力を発揮すること。
●情報理論
・エントロピー(無秩序性)の減少=システムがエネルギーを吸収し一定の構造に転換
・エネルギー、情報、パターン→情報理論の上では、負のエントロピー