劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎 『シレンとラギ』

感想 その2

ネタばれです
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傷が癒えたラギとシレン

シレンはゴダイ暗殺の命を遂行するため

再び王宮に向かう

裏切ったキョウゴクの任務を何故続けるのか

ラギが問うとそれがローラン族の宿命と答える


王宮には忠臣「シンデン」北村有起哉さん

この人は 唯一 いい人である

再び闘いを始めたラギ・キョウゴク親子

キョウゴクはゴダイを一緒に亡きものにし

自分の王国にしようとしていた

「何故そんなに自分の息子を殺そうとするのか」

シンデンがそう叫ぶと キョウゴクが

「こいつはおれの息子じゃない!

お前が20年前俺に預けた赤ん坊だ」

「なにー?おまえはあの赤子を自分で育てたのか?」


そう シンデンはシレンの子どもを殺さず

北にいたキョウゴクに託したのです


ラギはゴダイと

シレンの間に出来た子どもだったのです


ということは シレンとラギは母と子


何というか うすうす想像はついていたけど

おどろおどろしい関係


動揺を必死に抑えようとするシレン

もう 絶叫しちゃうラギ 「うそだ~」

ぎゃ~ そりゃ気狂いそうでしょう

だって 母と息子が・・・


グチャグチャになりながら親子 ホントの親子

何だかぐるぐるの立ち回りの中 ゴダイが凄む

「キョウゴク」

ゴダイはわざと正気でないふりをしていたのです

ゴダイはシンデンに赤子を殺すなと命令していたのです

「お前ら 畜生道に堕ちたな」

超えられない境を超えてしまった二人だが

キョウゴクも実の娘に異常な愛情を抱いており

兄を慕う娘への嫉妬からラギを殺そうとしていたのです


耐えきれなくなったシレンは闘いながら川に落ちていきます

そして 藤原くんが殺陣をしながら 刀を振り上げて

見得を切り 桜の花びらが 空から降りしきる

ここで 一幕の 終わりです

チョンチョンチョンチョンチョーン


やっぱ 歌舞伎だね

藤原くんきれいに決まった


「ムサシ」やったし だいぶ武士の所作が板についてきた

「天保十八年のシェースクピア」なんか 腰決まってなかったもん


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休憩後 二幕


いきなり白い衣装の教徒集団が登場

ラギは「ロクダイ」となって南の国王になっています

「愛は殺し合い」 「愛することは殺し合うこと」

なんて教示してるので シンデンは止めさせようとするが

逆に立ち去れと命令されてしまいます

 

実はあの騒動の後、残ったラギはゴダイに挑発されます

「俺を殺せ」と 父を殺して男になってみろと

ゴダイが強いんだな 高橋さん強い

で なんとかラギがゴダイを倒すと

ゴダイはみんなに宣言する

「これからはロクダイとなって 俺の後を継ぐ者だ」


もう 藤原くんヘロヘロだけど

愛した人が母で 暗殺しようとした奴が父

父と思ってた人に裏切られ 実の父を殺しちゃった

で「愛は殺し愛」「血の中に道が出来る」になっちゃったんだ


酔っ払ったシンデンがやけくそでシレンの元を訪ね

シレンはラギに再会する決心をする


一方計画に失敗したキョウゴクは またしても

寝返りダイナンの首をとって北に帰り

アホなギセン王を操って、叔父一家・母まで殺させてしまう

ギセンやってる三宅弘城さん

物凄く 殺陣が上手い

バカ将軍なのに 殺陣が半端無い


皆さんすごく殺陣も稽古したようで広い舞台を

物凄いスピードで飛びまわり本気で刀当たってました

藤原くんも 総司の時より格段に上手くなってる

永作さんも高橋さんも古田さんは持ちの論

鮮やかな太刀さばきなのですが

三宅さんのは ダントツでした


ラギのもとに行ったシレンは

ラギの愛を受け入れられない

「母として女として?」ラギの問いにわからないと答えてしまう


キョウゴクは毒の爆弾を南の王国に討ちこむ

ラギと再び闘うキョウゴク

一幕で負けたラギが強くなっている

「俺は父を殺したんだ あの時の俺とは違う」


壮絶な闘いの末キョウゴクを倒したラギ

しかし毒の降る中人々は死んでいく

毒消しの血が流れているシレンとラギは無事なのだ

シレンが言う

「私たちにはやるべき道がある」

自分たちの血で人々の毒を消し救うことだと

さあ行こう

そういうシレンにラギはまた 問いかけます

「それは母として?それとも女として?」


穏やかにシレンはラギに言います

「人として」

二人が肩を並べて歩いていく後ろ姿で

舞台は終わります

藤原くんの「身毒丸」も撫子と二人寄り添い

歩いていく後ろ姿がラストでした

しかしそれは禁断の男と女の道を選んだのでしたが


中島さんは「人として」何が出来るのか

震災の中で感じて書いたのだろうな

キョウゴクの古田さんは一番の悪役だった

やはり存在感があって看板役者だ

面白い役から悪役まで実にいい味出してる


永作さんは小さい体でよく頑張ってる

TVドラマの女優さんかと思っていたが

長塚圭史さんの「ラストショー」で風間さんと共演した時

舞台も出来るんだとびっくりしたけどね

強い女を演じていた


北村有起哉さんはこの役ではもったいなかった

もう少しキョウゴクとダイナンの場を減らして

北村さんの出番を増やせたと思う


高橋さんは前の記事にも書いたように

今回 ダントツ一番だった

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そして藤原竜也くん

このような役は彼の真骨頂だと思う

純粋な青年が 血に染まった世界に落ち

もがき苦しみ大人になって行く

新感線の舞台でも 藤原くんの演技はしっかりしてた


しかし いかに天才「藤原竜也」でも

まだまだ人生長い高橋さんや古田さんには敵わない

でも あの若さでこんなに出来る役者もいない

これからが益々楽しみですドキドキ


あ~ 疲れたショック!

忘れないように自分への記録でした


やっぱり 舞台いいですね!!