8月13日
広島県民の森、立烏帽子駐車場の南にある竜王山登山口まで車で入れるので、そこに車を停めて、
立烏帽子山から池の段、そして御陵への途中まで行って花を確認して引き返す・・・、
という、花目的の楽ちん歩きをしてみました。
まずはすぐ近い竜王山、草原の1256mに行ってみましょう。
草に隠れるように、オオヤマフスマ(大山衾)があります。 今年は初めての出逢いです。
小さな葉っぱを、ノミ(蚤)のフスマ(衾=夜具)に見立てた、ノミノフスマの山地型です。
草原には、コオニユリ(小鬼百合)が咲き始めて、ぐっと華やか・・・
振返ると、これから行く立烏帽子や池の段が見えています。 頂上の周りには・・・
葉に棘のない、タムラソウ(田村草)や・・・
季節先取りの、マツムシソウ(松虫草)などが点在して、いよいよ初秋の雰囲気です。
車のところまで戻ったら、ここから立烏帽子山に向い、樹林の遊歩道を歩きましょう。
両端の笹を刈られた道には、ヤマジノホトトギスが次々に顔を見せ、気分もよく下っていくと・・・
県民の森を一周する登山道の途中にある、立烏帽子駐車場に下りました。
アルカロイドを含む有毒植物の、イケマ(生馬)が群生しています。
名前はアイヌ語からで、イはそれ、ケマは足を指す言葉で、イのそれとは神のことらしい。
根に独特の匂いがあり、それを魔物が嫌うと信じて、呪術や魔除けなどに使用していたようです。
また、アサギマダラはこの葉裏に卵を産み、幼虫が葉を食べて蝶に成ると、毒を持つので狙われにくいとか・・・
以前より少なくなった、キツリフネ(黄釣船)もいくつか咲いています。
これも全草有毒ですが、ツリフネソウのように薬用には利用しないようです。
右手に上がったら分岐を左に、立烏帽子山にむかいましょう。 (帰りは右手のなだらかな道を戻ってきます)
リョウブ(令法)が満開です。 飢饉のときに食べるために法を発して植えたことからの名前とありますが・・・
白い花が立ち上るのを白龍の尾に見立てて、リュウビ(龍尾)とし、そこからリョウブというようになった・・・
という説のほが納得できます。
水気のある登山道には、葉に腺点と黒点がある、サワオトギリ(沢弟切)がつぎつぎに生えています。
まだ咲きはじめで・・・、一株のキバナアキギリ(黄花秋桐)を見たら・・・
1299mの立烏帽子山に着きました。 ここの山頂は狭いので素通りして、その先・・・
ホツツジいっぱいの登山道の向うに、池の段が見えてきました。 一旦下りて登り返しましょう。
立ち止っていると、アキアカネが腕にとまりました。 「腕で待つ 風に乗れるか 赤とんぼ」 ってとこでしょうか。
シシウドの仲間で、ノダケ(野竹)の茶色い花が覗いています。 花はカレーの匂いがするそうですが・・・
なだらかな鞍部に下りて、シコクフウロなどが咲く道を登って、池の段に着きました。
車を停めた竜王山も見えています。 眺めも好いし、昼も近いので早めに休んでのんびりしたら・・・
ブナ林を御陵に向って下り・・・おっぱら越えの分岐から登り返すと・・・
天然記念物、比婆山ブナ純林の標識まで登ってきました。
ブナ林の天然記念物は全国で3箇所しか有りませんが、この辺りは、太平洋型と日本海型のブナが混在する
ブナ純林として、指定されている貴重な所です。
足元には、タニソバ(谷蕎麦)が咲いていますが・・・今日の目的は直ぐそばにある・・・
ジンバイソウ(神拝草)が咲いているかな~と思ってやって来ました。 見ると・・・
花の数は増えていますが、まだ蕾ばかりです。 あと10日くらいはかかるでしょう・・・
残念だったね~、と引き返していると・・・、
オオバノトンボソウ(大葉蜻蛉草)が花を2個つけて残っていました。 ノヤマトンボとも言うように里にも
有りますが、結構蕾の内に食べられてしまうので、最近はまともに見ていません。
花が何とか見れる状態だったので、久しぶりのトンボちゃんをアップにしてみました。
おっぱら越えの分岐まで戻り、その先分岐を左に取ると、楽~な横道を歩いて元に戻れます。
ウワバミソウに比べて葉先が尖らない、アオミズという、ヤマトキホコリ(山時繁)が花をつけています。
トキは時々、ホコリはすごく繁るということらしいですが、そんなに群生を見ることは有りません。
涼しくて静かな横道を心地よく歩きます。 大ブナも時々現れ・・・
千引き岩という、伊邪那岐、伊邪那美伝説の残る大きな岩を越えると・・・
朝イケマを見た、立烏帽子駐車場に戻ってきました。
ここからはアスファルトの林道を歩いて車まで戻ります。
我が三原では「やっさ祭」が催されて、この日は最終日・・・、ニ尺玉も揚がり、夜空の花も楽しみました。