7月23日(日)    三原山の会 月例登山

 

今日は所属する山の会で、花の紹介をしながら歩くことになりました。

頂上に咲く可憐な花が目的ですが、途中の草花たちにも声をかけながらのんびり歩くとしましょう。

 

 

各自準備運動で身体をほぐしたら、出発ですが・・・、駐車場の花から紹介です。

 

 

ネジバナ(捩花)は、右巻き左巻きとあり、巻き方は約半々で、捩れないのもあるんです。

アップにすると、まるで砂糖菓子のようですね。

 

シモツケソウ(下野草)は、別名クサシモツケ、シモツケに似ていますが葉っぱが深く5~7裂します。

 

カワラマツバ(河原松葉)は、キバナノカワラマツバの白花種で、葉っぱが松葉に似ることからです。

 

クサレダマ(草連玉)は湿地の花で、マメ科のレダマに似ている草本の事。 色から別名、硫黄草とも言います。

 

そろそろ登山道に入って・・・、まずは地蔵さまに手を合わせて、今日もよろしく・・・

 

シシガシラ(獅子頭)という、獅子のたて髪に見たてたシダもあります。

 

ジンバイソウ(神拝草)は別名ミズモラン(水面蘭)、葉の表面が光るのを水面に見たてていますが、

花は八月終りごろでしょうか・・・

 

左手のスキー場に沿って植林の道を登って行きます。

 

一個ついた実に、二つ並んで咲いた花の跡が残るのは、ツルアリドオシ(蔓蟻通し)・・・

 

クジャクシダ(孔雀羊歯)は、孔雀の尾羽根に見たてた名前です。

 

 

スキー場のリフト下り場に出て休憩・・・、残念ですがガスって眺めもないので、そろそろ出発して・・・

 

湿地でもない所にあるのが珍しい、モウセンゴケ(毛氈苔)を見たら・・・

 

道はちょっと急登になって、この先右手に曲がったら、次の尾根道まで平行道を歩きます。

 

雌株のハナイカダ(花筏)に実がついていますが、秋に熟れて黒っぽくなったら食べれます。 

 

 

このムラサキマユミ(紫真弓)は大きくなっても1mほどの小低木、ニシキギの仲間で、

葉っぱに隠れるように赤紫色の花を吊り下げています。

 

役の行者を祀った山上(さんじょう)まで来ました。 

 

葉裏が白い、タチシオデ(立牛尾菜)が実をつけ、その先・・・、

 

平行道が終わって尾根道になると、足元にはツシマママコナ(対馬飯子菜)が彩りを添えています。

 

さて、尾根道も中ほど、ちょっと開けた展望所に着きましたが、ここでもまだ景色は隠れたまま・・・、

そこで、いつも見えるように岩樋山や道後山を描いてみました。

 

傍に咲く、クルッとカールの小さな花は、アクシバ(灰汁柴)・・・昔、燃やした灰を灰汁取りに利用したようです。

 

赤い実はウスノキ(臼の木)・・・実がえぐれて臼のように見える事からの名前で、実は食べれます。

 

二時間半もかかってやっと頂上に着きました。 でも眺めがないので直ぐ先の展望地に向かうと・・・

 

ぱっと開けて、直ぐ目の前に、目的の猫山南峰が見える草地に出ました。 色とりどりの花がりますよ・・・

 

  

葉っぱが裂けない低木のシモツケ(下野)や、キバナノカワラマツバ(黄花河原松葉)や・・・、

 

 

ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)や、まだ蕾のアキカラマツ(秋唐松)などを見て・・・

 

 

登山口から三時間、花を楽しむので随分掛かりましたが、ガスも晴れて、目的の南峰に到着しました。

 

 

イブキトラノオ(伊吹虎の尾)や、ワレモコウ(吾亦紅)が花穂を揺らし・・・、

 

カワラナデシコ(河原撫子)の鮮やかさに見惚れていると・・・、風にのってなにやら好い香りが・・・

 

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)が、皆を歓迎してくれているんでしょうか・・・、

麝香の香り(本当は知りませんが・・・)で出迎えてくれました。

 

そして今日の主役の・・・

 

ヒメユリ(姫百合)が華やかに天を向いています。 小さいのに大きな存在感・・・、さすがはお姫様です。

「誇り」 という花言葉どおりの気品を放ちながら、すっくと立ち、唐紅色の花弁を広げています。

 

百合の中では小さいことからの姫ですが、自生地で群生をしないのも姫らしく・・・

花弁や雄しべや花粉が同じ色なのも特徴で、かなり希少な絶滅危惧1B類となっています。

 

また、星型に開くことから、スターリリーの英名ももらって、まさにユリの中のアイドル・スターでしょうか。

 

昼食も摂らずに、ヒメユリに魅了されてしまいましたが、麝香の匂いに包まれながらの一時は、

この山に登った者だけが得られる幸せの時間です。

 

見渡せば里の田園を背景に、もう一つの百合、夜咲く一日花のユウスゲ(夕菅)が蕾のまま、

夕暮れを待ちつつ、さやかな風に揺れています。

 

可憐なお姫さまを夜の間、護るように咲くのでしょうか・・・

七夕の頃に、ヒメユリよりも先に咲き出して、ヒメユリが消えるのを見届けるまで咲いている、心優しき

清楚なユリは、美智子皇后が好まれている花だとか・・・その皇后様が・・・

 

「かの町の野にもとめ見し夕すげの 月の色して咲きゐたりしが・・・」 とお詠みになられた歌もあるように、

楚々とした美しさと共に、はかない想いも感じさせ、見る者のこころをそっと癒してくれる花です。 (*v.v)。

 

さて、ヒメユリに感激しユウスゲにも想いを寄せたら、登った道を帰ることにしましょう・・・