7月2日

 

雨は降らないと思い込んでやって来た山が見えてくると、

頂上一帯はガスに覆われています。

こういう日は途中まで登ってみて、その先は気分次第・・・色々観ながら楽しんで歩くことにしましょう。

 

 

 

陽が射さない森は歩き出すと直ぐに暗い道になってきます。

花も見えにくいですが・・・眼が慣れてくると、何か葉っぱが広がっているものが有りますよ。

 

近寄ると「ナガホ・・」ではなくて残念ですが、普通のナツノハナワラビ(夏の花蕨)がすっくと立っていました。

 

その先、少し離れてあったのは、クモキリソウ・・・、

漢字で書くと、蜘蛛切草、蜘蛛散草、雲切草、雲霧草など色々あり、名前の謂れもはっきりしていません。

 

 

アップで見ると唇弁が幅広で真ん中が溝状になっていますが、虫を誘導する通路なんでしょうか。

 

 

 

その先、春先に出始めた葉を、破れた唐傘に見たてたヤブレガサ(破傘)は、まだ蕾・・・

 

 

短めの葉っぱで表面に艶が有り、触ると痛いチャボガヤ(矮鶏榧)の実は、秋に熟れたら食べれます。

 

 

流れの音を聴きながら登る狭い登山道の山手側には・・・

 

今が旬の、アカショウマ(赤升麻)がつぎつぎ顔を見せ・・・

 

 

これも旬、青色系や赤色系のヤマアジサイ、別名サワアジサイ(沢紫陽花)が活き活きと華やいでいます。

 

さてその先・・・、雨が降り出してきました。 こうなると写真を撮るのも時間がかかりそうですが・・・

 

雨は降り続いて、潤い100%・・・、青いジャングルのような登山道を歩きます。

 

白い花のミヤマイボタ(深山水蝋)は、イボタノキの深山形で、葉っぱの先が尖っています。

 

水際には小葉が深く切れ込む、ハゴロモヒカゲミツバ(羽衣日陰三葉)がありますが、花が咲くのは暫く先・・・

切れ込む葉っぱを、水場に脱いだ天女の羽衣に見たてたんでしょうか・・・それなら何とも粋な名前です。

 

道が沢を離れると・・・ミヤマホウソ(深柞)が蕾をつけています。

ホウソの元はハハソのことで、ハハソはコナラの方言、この葉っぱがコナラに似るということです。

 

 

沢音は下のほうに遠ざかり、ブナやミズナラの大木が多くなると、尾根の峠が近づいて・・・

 

 

足元のウマノミツバ(馬の三葉)は、三つ葉に似ていても食べれないので馬にでも食わせておけとか・・・

 

 

頭上には葉が瓜に似て、花はくるっとサザエさんカールのウリノキ(瓜の木)が、風鈴みたいにぶら下がり・・・

 

 

その先、ツクシガシワ(筑紫柏)がまとまっていますが、何か少し増えたような気がします。

ツクシは九州のこと、大きな葉っぱをカシワの葉に見立てた名前ですが・・・、

 

1センチほどの花は、小さな風車のような可愛いさで、カモメヅルの仲間です。

 

 

やっと向うが明るくなって、大波の峠に到着・・・晴れていれば、道後山も見えますがまるで見えません。

 

そして、ここから先は尾根歩き、ブナの森が続いていますが、雨は断続的に降っています。

写真も撮りにくいので、今日はここらで諦めて引き返すことにしましょう。 (⌒-⌒; )

 

 

さて、登った道を引き返しましたが・・・、余った時間は無駄にはできません。 

帰り道でちょっと、行きつけのため池によってみると・・・

 

 

草にまぎれたイシモチソウ(石持草)が、オシャレな葉っぱを散りばめています。

葉から出る腺毛の粘性は強く、小石さえ持ち上げることからの名前で、白い5弁花は午前中に咲くようです。

 

よく見ると、虫が捕まっています。 稲の害虫のウンカのようですが、葉っぱからも栄養を摂るのは

花を咲かせるのに、根からの栄養だけでは足らないのを補うため・・・

モウセンゴケに比べ立ち上がるので、翅(はね)のある虫でもよく捕まるのでしょう。

 

別世界ですね~、じ~っと見ていると腺毛が伸びてきて、私も食べられそうな気分に・・・・Y(>_<、)Y

 

面白くて、ミステリアスなイシモチソウは、準絶滅危惧の希少種になっています。