6月18日(日)

 

広島県・・・

 

足元の笹に紛れて咲く、美しいランに再会したくて出かけました。

 

 

 

イチヤクソウ(一薬草)はまだ殆んど蕾・・・、その中、この一輪だけ開き加減です。

 

葉っぱや花柄に毛があるヤマウグイスカグラの実は、プルンと弾けそうで食べ頃です。

 

 

地面にへばり着くように広がる、ツルアリドオシ(蔓蟻通し)が咲き始め・・・

近くでは、気高い貴婦人ようなササユリが、ほのかな香りを放っています。

 

 

 

頭上にはベニドウダン(紅満天星)が鮮やかに彩を添え・・・、

 

 

足元には3mm程の花を散りばめながら、エゾノヨツバムグラ(蝦夷四葉葎)が盛りです。 

 

さて、この辺で 細い踏み跡に入ります。

 

登山者と会わないだろうこの道は、熊の棲息域、まずは腹ごしらえをしたら・・・その近くで、

 

ミヤマタニソバに囲まれて咲く今日の目的の花、トケンラン(杜鵑蘭)に再会です。

 

 

頭に冠をつけた幻の鳥のように見えますが、トケンとはホトトギス(杜鵑)のこと、

萼や花弁の小豆色の斑点をホトトギスの胸や腹の斑紋に見立てた名前

 

 

美しいランを満喫したら、沢沿いを右に左に・・・

 

狭い踏み跡を見逃さないよう・・・確かめながら下りて行きます。

 

 

陽当りでは、こんなブナ林の谷筋を好んで咲く、ヤグルマソウ(矢車草)のゴージャスな花を見ながら・・・

 

もうだいぶ下ってきましたが・・・、おおーすごい!目の前に大きな樹が見えてきました。

 

 

直径は2mも有るようで、葉っぱを見るとカエデの一種の、オニイタヤ(鬼板屋)のようです。

沢筋などを好むようですが、いったい何時からここにいるんでしょうか・・・?

 

 

 

トゲのある大きな葉っぱのハスノハイチゴ(蓮ノ葉苺)は、花も大きいですが色気は有りません。

 

倒木を跨ぎ、時々ブナの樹に残る熊棚を探し見ながら歩きますが・・・

 

大きくて深い森歩きは、緊張感や野性味があってなかなか楽しいものです。

 

 

その先も、しばらく笹を掻き分けながら進むとメイン登山道に合流・・・

 

戻ってきた三叉路では、最後の楽しみに取っておいた・・・

 

ブナの大木に着生する、ヤシャビシャク(夜叉柄杓)の果実を、下からじっくり観ることができました。 

(花は5月10日のブログで紹介)

 

昔は瓢箪を割ってそのまま柄杓にして水を汲んでいたそうで、楕円形のこの実をその柄杓に見立て、

高い樹の上など稀な場所に着生することや、果実に生える毛の様子などから夜叉の名が付いたものと

思います。

 

ちなみに果実は酸っぱいそうですが、食べられるみたいです。

でも、高すぎて無理・・たまたま落ちたものに出逢う以外、幸運に巡り合うことはないでしょう・・・