映画『梅田優子の告白』スタッフブログ -4ページ目

撮影の話、屋外の巻。その3

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深井監督が綴る『梅田優子の告白』誕生秘話。
屋外でのシーンには、優子が爆走する箇所があります。
そのシーンに、深井監督はある思いを込めていました。
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特に優子が爆走するシーンは、どうぞどうぞ皆さん振り向きまくちゃってくださいといった感じで、撮った画も気持ちも開放感たっぷりに仕上がっております。

このシーンがなぜ好きかと言いますと、漲る開放感が全てです。「このシーン、良かったよ」と言ってくださる方はまだいませんけど(笑)
私は好きなのです。何度観ても、じんと涙が出ます。


「爆走」は私の人生の憧れと想像全てです。

良い音楽を聞いた時、重荷を背負ってしまった時、悲しい時、私は想像の中で爆走します。
目をぎゅっとつぶり風よりも早く走り抜けます。
嫌な物は避けずにそのまま打つかって行く勢いです。
そのせいでよろけて転んでも一度「爆走」を決めたら立ち上がってまだまだ走ります。

何か時空の様なものを越える瞬間が必ずあるのです。
そこに飛び込むみたいに走ってって、私は崩れ落ちます。
そこは今まで感じた事無いくらい優しくて明るくて、とっても暖かな世界です。

固くつぶっていた目をそっと開けると、やっと自分の体が傷だらけの血だらけな事に気づきます。痛くて泣いたら涙が傷に染みて更に痛くて、嫌な物と一緒に、大切な物まで走り捨ててしまった事を何となく思い出します。でもそんな事どうでも良くなるくらい、ここは暖かで、「まだ生きているからましだ」と呟いて、私はそのまま深く深く眠ってしまうのです。


その世界の事を、私は現実に有る何かで例えて表現する事ができません。

私が無知だからと言う理由も一理ありますが、私がまだその世界にたどり着いた事が無いからと言う理由もあります。


観客に伝える意識が無い映画をオナニー映画だと言いますが、このシーンをご覧いただいた皆様に、何も思わせる事が出来ていなかったとしたら、このシーンは、完全に私のオナニーだなあ、と思います。