差し歯とは、歯を削ってその上から差し込むように被せ物をすることです。
歯の根っこが残っている必要があるので、抜歯した部分には使えません。抜歯した歯の整形には、インプラント等の技術を用います。
差し歯には、保険内で安価に取り付けられるものと保険外のものがあり、保険外の差し歯の場合は自費治療で高額となる反面、セラミックという材質で作られた見た目や耐久力が大変優れた人工歯を作ることができます。
一方で保険の差し歯は、安価なのが大変魅力です。セラミックの差し歯に比べるとどうしても見た目に違いが出ますが、とりあえず付けるものであれば十分にその役割を果たすことができるでしょう。
ただ、どんなにケアをしても、保険の差し歯は持って5年で確実に劣化します。
これは医師の腕の問題ではなく保険の差し歯をつくる素材の問題で、今の保険制度の枠組み内では残念ながらこの劣化は避けられません。
保険差し歯の劣化について、具体的にあげてみましょう。
(1)歯茎が黒くなります
歯茎と差し歯の境目に黒い線ができてきます。くっきりと見えてきますので、非常に目立ちます。これはブラックマージンと呼ばれるもので、保険差し歯の材質が歯茎を痛めるために、このような現象が起こります。保険差し歯を付けている限りは治りません。
(2)差し歯の色が変わってます
差し歯の色が黄ばみを帯びてきて、あきらかに周りの歯から浮いたような状態になります。また、人工歯だとすぐわかるような質感が目立ってきます。
この変色した色はホワイトニングをしても元には戻りません。
(3)強度が弱くなってきます。
硬いものをかんだり何かにぶつかった拍子に、欠けたり壊れたりする可能性があります。
つけている差し歯が劣化してしまったらどうしたらいいでしょうか。ずばり、差し歯を取り替えることです。
・新しい保険の差し歯に付け替える
・保険外の差し歯に付け替える
もちろんまた新しく保険の差し歯に付け替えることは可能です。見た目も元に戻るでしょう。ただ、付けるたびに少しずつ歯を削らなければならず、また数年経つと確実に劣化してしまいます。
一方で、保険外の差し歯は、きちんとケアをすれば20年以上きれいな状態を保つことができますし、耐久性も非常に高く安心してお使いいただます。
また、当院では仮付けの際に気になるところは作り直すこともできますので、最初から天然の歯と全く変わらない差し歯を作ることができます。
◆当院で治療したケースです。保険の差し歯をセラミックの差し歯に変更しました。
数年おきに保険の差し歯を繰り返し付け変えるよりも、トータルで見ると最終的にはお安くなることも十分考えられます。
差し歯の劣化でお悩みの方はぜひご相談ください。