子どもさんは単体で存在しているわけではなく、家庭、学校、地域等のつながりの中で生活しています。したがって、子どもの心の臨床では、地域の様々な機関との連携が重要となってきます。

病院によっては精神保健福祉士さんが、地域連携やケースワークを担当してくれるところもあるかと思います。

 

より良い連携のために

まずどんな地域の機関があるかを知っておくのは重要です。教育、福祉、医療等々・・・これらの機関の状況は刻々と変化します。例えば、A病院児童精神科は、少し前までは受診予約が1ヶ月程度だったのに、今は3ヶ月になっている・・・とか。あるいは、B療育センターでは、昨年度までは対応していなかった言語訓練が今年度できるようなったらしく、新たにメンバーを募集しているようだ・・・とか。こういう情報は鮮度が大事なので、アンテナの感度を高めておくと良いと思います。

 

地域連携は「人と人で繋ぐ」、「顔と顔で繋ぐ」、と言われることもあります。C病院の児童精神科を受診して、というよりも、「C病院の梅干し先生に会いに行ってね。事前に伝えておくから」と言われた方が、なんとなく受診しやすくないでしょうか・・・?そうやって人と人で繋ぐためには、常日頃から関係機関同士で顔を繋いでおく努力も必要だったりします。ただ、都市部などでは、関係機関の数も膨大で、このように人と人で繋ぐというのが難しいことも多いです。

 

あとは、関係機関同士のお互いの事情や役割を理解するということも重要でしょうか。それぞれの機関には、それぞれの事情というものもありますし、対応できる限界というものもあります。機関によって、組織のあり方、意思決定のプロセス、風土は異なります。地域の連携は、長いお付き合いになることも多いので、相手方の機関に対する配慮やリスペクトの気持ちを心がけたいな、と思います。

 

地域で関係機関の職員が集まれるような勉強会があると、常日頃から顔を合わせることもできるし、お互いの機関の状況をよく知ることができて良いようです。一緒に勉強したり、事例を検討する機会を通して、連携する力もアップします。地域連携というのは、最終的には人と人との繋がりです。お互いの顔が見えていれば、大抵のことはうまくいくと感じます。連携力を向上させたいな、とか、一歩踏み込んだ連携をしたいと考えている方は、地域で勉強会を開催してみるのも一つかな、と思います。

 

via うめぼしの会
Your own website,
Ameba Ownd