ある程度の人数の子どもさんを対象におこなう精神療法です。Yalom(ヤーロム)の集団療法の治療要因の考え方(11個あって、ふむふむ、という感じです)は参考になります。

臨床現場では、子どもさんを対象にしたデイケアで取り入れられていることがあります。入院治療の一環として行われることもありますが、昨今は入院期間が短縮していることもあって、継続的に実施することが難しくなっているところもあります。

 

色々なやり方がありますが、一つには同じような年代、問題を抱えた子どもさんを集めておこなう方法があります。同じような悩みを抱えた子ども同士で、自分達の悩みを打ち明けて、お互いに相談できるのは、それだけでも大きな治療効果があると思います。

 

集団精神療法では、一般的には、治療者や医療スタッフは、あまり発言せず、介入するのは最低限にとどめておいて、子どもたちの主体性を尊重することが多いようです。もちろん、治療者は傍観しているだけの存在ではなく、集団のメンバー全員が話題に入っていけているのかに注意したり、集団のやりとりが破壊的になりそうであれば介入したり、時には集団のメンバーに対して問題の直面化を図ったり・・・と、適宜集団の状態を評価しながら、集団が治療的に機能するように注意する必要があります。文字に書くと簡単そうですが(そうでもないですかね)、結構難しいです。集団にも無意識があるという考え方があるようですが、治療者は集団というものの性質について、よく知っておいた方が良いと思われます。

 

集団精神療法を実施して、まず治療者がやるべきことは、その集団で何が起きているのか、ということを意識化することでしょうか。集団精神療法をやった後には、スタッフ同士でミーティングしますが、そこで気づいたこと、感じたことをスタッフ間で話し合う(言語化する)のが大事だったりします。「〜君が自分の不安を話してたな・・・そん時、〜さん、うまく自分の話題を出してくれて、他のみんなも笑って頷いてくれて、〜君も不安なの自分だけじゃないって思えたみたいだったね」とか。そういう様々な変化を、普段の治療の参考にしたりもします。

 

via うめぼしの会
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