認知行動療法は認知と行動に介入していく技法です。

 

認知行動療法で大事なのは、まず治療関係をしっかり構築すること。これは他の技法でも同じではありますが、認知行動療法は治療者と子どもさんと親御さんの共同作業ですので、安定した治療関係が必要不可欠です。

 

認知行動療法で用いられる介入技法は様々ですが、説明するときには子どもさんにわかりやすいように、イラストを使ったり、身近にあるものなんかで例えながら(信号や天気なんかはよく使います)実施するとよいようです。また、認知行動療法は認知と行動に焦点を当てますが、その過程で感情にも焦点を当てていきます。そうすると、今まで気づけてなかった感情に気づくこともあって、それが治療的に働くこともあります。

 

認知行動療法で注意が必要なのは、認知や行動の”押し付け”になってはいけないということ。治療者が一方的に与えるんじゃなくて、子どもさんや養育者の方が腑に落ちてわかるというのが大事だと思います。また、実際の臨床場面では、数回の面接だけでは考え方や問題が解決しないこともあります。それが子どもさんや親御さんの自信喪失につながったり、焦りにつながることもあります。子どもさんや養育者の方の気持ちが置いてけぼりになってはいけませんよね・・・ そんなとき、子どもさんや親御さんの気持ちに寄り添いながら、治療目標や介入技法を柔軟に考えていく必要があります。最初からうまくいかないのなんて当たり前ですよね。自分は、子どもさんには、結果よりも、そうやって治療に向き合っていることの方が大事だよ、と伝えてます。

 

認知行動療法の考え方や枠組みは、医療だけでなく、教育や福祉、司法の現場でも取り入れられています。書籍もたくさん出版されていて、研修の機会も多いので、ぜひ参加してみてください。

 

via うめぼしの会
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