鳴かない鳥 | ウメオフィシャルブログ「ウメ日和」powered by アメブロ

鳴かない鳥

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ふと、思い出したので…昔、姉がしてくれたお話をします。

ある森に、綺麗な色の、鳴かない鳥の巣がありました。
母鳥は、子供達を食べさせるため、毎日、森中を飛び回りました。
何も知らない子供達は、母鳥に文句ばかり言いました。
それでも、母鳥は毎日、毎日、森中を探し回りました。痩せほそり、綺麗な色の羽も、ボロボロになっていました。
子供達は、みるみる大きくなりました。
ある日、お腹がすいた子供が言いました。
「お母さんは森で餌を独り占めして食べているんじゃないかな?」
もう一匹が言いました。
「きっとそうだよ。僕達には、ミミズとか虫ばかり食べてさせて、自分はもっと美味しい物を食べているんだ!」
みんなが口をそろえて言いました。「なんてひどい母親だ!」
母親が帰って来た途端、子供達は、母鳥に襲いかかり、弱った母鳥をとうとう殺してしまいました。
「一体、どんなご馳走を食べていたんだ?」そう言うと、恐ろしい事に母鳥のお腹を引き裂きました。
母鳥のお腹からは、土やゴミしか出て来ません。それどころか、やせほそり綺麗な羽はボロボロです。
まるまる太った自分達を見た鳥達はようやく、自分達の罪の重さに気がつきました。
「お母さんごめんね…お母さんごめんね…お母さんごめんね…」
鳥達は、泣きながら言いました。
その日から、綺麗な色の鳴かない鳥は、「お母さんごめんね、お母さんごめんね」と鳴くようになりました。
おしまい

眠れない私に、してくれたお話ですが、話が怖くて逆に眠れなかったのを思い出しました。