本日は昨年秋にもお稽古させていただいたオーストリア ウィーンからお出でのお嬢さんの初稽古でした
約一か月の滞在の間に可能な限りの伝統芸能のお稽古をと言う事で午前中前半は中村壽先生の小鼓、後半は私の舞のお稽古となりました
大変熱心でご質問も多くかなり詰め込んだお稽古となり、お稽古風景をお写真に撮る余裕なし・・・
日本舞踊にも共通する事ですが小鼓のお稽古に同席して痛感したのは「間」と言いますか「無」の瞬間が多々あるというのはこの国独特という事
とくにお囃子ではフンッとかツとかスといったような空の間、あえて打たない間がなければ成り立ちませんが、先生は言葉を発されているのに「打たない」と言うのが彼女にとっては難しい
偉そうに「日本の音楽には『無』の音があるのよ♪」とご説明すると、理解力のある彼女は直ぐに心得てくれましたが
それを言葉に出来るようにしておいて下さったのは他ならぬこちらの番組 野村萬斎さんと羽生結弦選手とのスペシャル対談
懲りずに出します結弦さん♡というよりこの度は野村萬斎先生
音を表現しようと聞きすぎてしまいジャンプのタイミングが合わなくなる事がある。音と表現についてどう思われるか?という羽生選手に対し
萬斎さんは、西洋的感覚では音楽の全てを表現しようとしリズムを常に刻むが日本的感覚では無の間もある。勿論日本にも規則的にリズムを刻む種類の物もあるが、音についたり離れたり自在に出来るというのが僕らの感覚とお話
これは中学校まではクラシックバレエをしていた私にも「なるほどこの事だったか」と腑に落ちた瞬間でもありました
初めて日本舞踊教室で邦楽を聞いたとき「日本の音楽には主旋律が無いんじゃないか???」と感じてしまい何を芯にしてついていけば良いのかさっぱりわからなかったのです
先生は時に口三味線、時にお囃子、時に唄を口にされながら教えて下さいますが私としたら何が主なの???でした
考えれば「無」の瞬間がお三味線にもお囃子にも唄にもあり、次に音のきっかけを作る役割分担も自由自在と言う事かも知れません
でも、安心してください!
短い物でも邦楽一曲通せるようになれば何となくわかります
で、わかるようになると楽しい
と言うか、良く歌舞伎役者さんなどが「間」は「魔」とおっしゃることがありますが、コンマ何秒の無の瞬間の長さが作品を大きく変えてしまう事がある
一生答えを探し続けられるような物かとも思います
私の方は彼女に「教え方が細かくなりましたね」と言われ、その事をお師匠さんにお話すると爆笑
『それを分かって言葉にするとは大したもの!』と彼女をとてもかっていらっしゃいます
皆様も一度日本の伝統芸能のお稽古いかかですか(*^^*)?♡