赤ちゃんにあげるミルクがない。

そう言って、病院に留まり避難所に行かないお母さんがいる。


病院では粉ミルクは提供されるが、お母さんの食事は提供されない。

お母さんは衰弱していくが、避難所へは行けない。

なぜなら、避難所には粉ミルクがないからだ。

そんなニュースを見た。



そんなニュースを見て以来、粉ミルクを送るための義援金を集めようと友人と考えていた。


だが、それは間違いだった。


粉ミルクを送る。

一見誰にも出来そうで、意味のある事のように思う。

だが、そんな単純な話ではなかった。


粉ミルクは想像以上に取り扱いが難しい。

サカザキ菌という菌への対処のために、WHOやFAO(国連食糧農業機関)はガイドラインを出している。

それくらいにきちんとした作り方が必要な物だそうだ。

具体的には、80度のお湯や清潔な水、哺乳瓶や乳頭を消毒出来る環境。

これらが必要不可欠で、そろってようやく使用できる。


避難所にはそれらをそろえることはできない。



また、母乳で育児されていた母親が不必要にミルク栄養を増やすと、母乳の分泌を減少させる原因になることがある。

母乳により与えられていた母親の免疫力が与えられなくなり、感染症を引き起こしやすくさせる。

突然ミルク栄養に変更すると、母乳の授乳量が減り、母親が乳腺炎を起こすこともある。


このようなリスクがあるそうだ。



母乳はストレスでは減らないそうだ。母乳育児が出来る母親には、粉ミルク支援よりも母親や児が安心して生活できる環境を与えてあげる方が大事である。


そして、何らかの理由で母乳を与えることができない母親に粉ミルクを優先して届けられるようにしなければならない。そんな母親は被災地だけでなく全国にいる。不用意な買占めや企業の支援は避けなければならない。



支援したい。

その気持ちはスゴク正しい。

でも、知識がなければ、正しいことはできないと学んだ。

個人で何かをする危険性。

もう少し冷静になって、知識のある人に相談する。

普段、常に同職の僕らが求められる姿勢だ。

本当に被災者の為になることを見極める努力が必要だと感じた。



でも、やっぱり気持ちは大事。ホント世の中難しい。これが本音かな。





今日は職場でお泊り。


多くの祝福に満ちあふれた 新しい出会い と

多くの悲しみがあふれる 永遠の別れを伴う出会い


いろいろな 出会い が交差する 夜



願わくば、祝福に満ちた 出会い をみんなにあげたい。



悲しみに包まれた日本の中で、ここは 希望 に出会える 場所だから。


福島第1原発の10キロ圏内の某病院。


自衛隊が県の要請で救助に行った際、

自力で避難できない高齢者128人を残して、医療関係者は誰も残っていなかった。


というニュースを見た。14日未明の出来事である。



医者は避難指示の出た病院に留まり、医療を続けるべきだったのか。

放射線被曝にさらされる危険を顧みず…


国から県への指示は、

「明け方までに避難させること。避難しない場合は責任を取れない。」



結果的に14人の患者が避難途中あるいは避難場所で亡くなった。



何が正しかったのかは正直わからない。どんな気持ちだったのだろう。

ただただ悲しかった。






今日はこんな話を聞いた。

ニュースでは言わない。言えない。


透析患者がいる。

2日に1度、3~4時間横になって、血液から老廃物を除去しないと生きられない。

日本にはそんな人が約30万人いる。1000人に2~3人の計算だ。


東北地方では透析が出来る病院のいくつかが被災された。

その病院で治療されていた患者は、透析が受けられなくなった。


少し離れた中核病院(新潟など)が受け入れを表明しているが、全員を受け入れることはできない。

その上、遠く離れたその病院まで行かなければならない。

全国から透析機械を集めているが、まだまだ足りない。そして運ぶこともままならない。


透析を受けられない患者は、長くはもたないだろう。

その命の線引きを前線の医者が担っている。

誰もがしたくないその線引きを…。

つまりは、透析の機械が足りないから、状態のよいヒト、未来のあるヒトを選ぶわけだ。



いったい何が正しいのだろう。どんな気持ちなのだろう。

ただただ悲しかった。






医者は誰もがそんなことを考えるために医者をしているわけではない。

ただ、目の前の患者を力の限り救うのみだ。

みんな一生懸命なはずだ。



政治家のみなさん。


医者はスーパーマンではありません。

大人数の患者さんを安全なところに運ぶことはできません。

途方もない数の透析機械を集めたり運んだりすることもできません。


病院の患者を安全なところに運ぶ段取りをするのはあなたがたの仕事です。

あなたがたの的確な政策(指示や行動)がないと、透析患者の全員を助けることは物理的に出来ません。

もし、その線引きが必要ならば、それはあなたがたの仕事です。

これ以上、前線の医者を苦しめないで下さい。

誰よりも傷つき疲弊している医者を。



正直、答えの出ないまま政治家のみなさんに八つ当たりしているのかも知れません。

ただただ、自分自身が無力なことが悲しい。