徳川幕府二代将軍徳川秀忠は
話しに聞き入ってた。
天海僧正こと明智光秀は、
本能寺の変の事実と、
その後の豊臣秀吉、
織田信雄らとの話し合いで得た
事実を口頭伝授する。
徳川家康は豊臣家への配慮なら
大坂征伐と言う言葉を控え、
大坂の陣とする旨を各大名に通知し
帰国を促した。
二条城まで退いた徳川父子と天海は
長きに渡る過去の事実を次の世へ
引き継ぐ為に、記憶と記録を改めて
思い浮かべる事にする。
徳川家康は長旅がかなり苦痛となり始めた。
今までは耐えられたが此度、
駿河より京に至るまでもかなりの
体力を消耗した。
僅かな期間で殻から抜け始めた雛が
鷲や鷹へ育つ事に期待し、
全て引き継ぐ覚悟をする。
「将軍家。よく聞いておきなされ」
「これより高台寺に立ち寄る」
秀忠は家康からの口調から
一瞬込み上げるものがあったが、
堪えに堪え莞爾と笑う。
「新しき世の中を作りあげる
覚悟でございます」
父は満足げに息子の頭に手を掛ける。
続く🌷
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