或日の大石内蔵助
芥川龍之介
タイトルそのまんまの内容でした。
吉良上野介を討った後日談ですね。史実ではなく創作でしょう。
江戸では仇討が流行っているらしい、と、仇討ちを共に行った同士らが愉快そうに語らっています。
それに対して内蔵助は複雑そうな様子でただ耳を傾けています。むしろ、ささいな不快感さえ覚えている。
そうこうしていると、仲間の一人が若い頃の内蔵助の放蕩三昧を話題にし始めた。
またちょっと嫌な気持ちになるけれど、あえて口を挟むこともなく、その過去の乱れっぷりを鮮明に思い出し、そしてなんとなく寂しい気持ちになっています。
庭に目をやっちゃったりして。黄昏れてますな。
終始こんな感じでした。
上に立つ人間であるからこそ、色々と悩む。
いずれ彼らは吉良邸討ち入りの件で沙汰が下るはず。それまでのわずかな日常。
昼行灯、とあだ名された人物だからこそ芥川はこういう内蔵助を描いたのかもしれませんね。