こんばんは🌙
アマプラで
『小さき麦の花』を観ました
/左のロバさんほぼ家族\
わたし
こちらの映画をまったく知りませんで…
りんらんママさん
のお陰で出会えました

いやもうほんとに
ありがとうございます



※以下ネタばれしています
🫏 🌱 🫏
現代の中国
とある農村にて
親族が集まっている中に
明らかに疎まれているのが分かる男女
ヨウティエとクイイン
兄の家で居候の身であるヨウティエは義姉に小言を言われても言い返すことはなく
クイインのほうは障害のせいで排尿のコントロールができずに失禁するので呆れられています
明らかに厄介払いのための結婚話は
周りの人間に勝手に進められて
ふたりはぎこちないまま夫婦となりました
クイインの排尿障害は
日本ならとりあえず専用パッドを使えばQOLはかなり上がるというのに

もどかしい〜届けたい〜
しょうもないことが過りました
あてがわれた粗末な家を農地改革のために追い出されれば自分の身よりツバメの巣を心配し、たまごから孵ったひよこを見れば目を細める優しいヨウティエは口数が少ないながらクイインの不自由な体を気遣います
そんな夫の優しさに触れるうち心を開いていくクイイン
それにしても
この夫婦に対して周囲の扱いが酷い

ヨウティエは村の有力者の病気治療に協力したのに割に合わない適当な品物でチャラにされたり
2人が乗せられた高級車の座席がビニールで覆われていたり1回目にクイインが漏らしたから仕方ないんだけれど

甥っ子の結婚道具を運ばされたのに結婚式には呼ばれず
終わってから残飯同然の食べ物を渡されたり
クイインがもてなしで出した白湯を断られたり
汚いと罵られたり…
屈辱的なことばかりです
こんな扱い受けていたら心が荒むはずですが…
結婚してからヨウティエの話にちょいちょいユーモアが混じるようになっていて
最初とは明らかに雰囲気が変わっています
守るものができると苦しくても頑張れるよね!暮らしに張りが出るよね!
特に
雨の中レンガを守ってたときと
雨が止んでからお見合いの日を照れながら振り返るくだりは
お互いの思いを打ち明けられてすごく良いシーンでした

慎ましくも幸せな暮らしを手に入れかけた2人だったのに
別れは突然訪れるのです
悲しみの中
ヨウティエは農家としての仕事に見切りをつけ
苦楽を共にしたロバから馬具を外しました
遠くからロバが振り返り
ヨウティエをしばらく見つめるシーンが切なかったです
日干しレンガで家を建てた家は
今は亡きクイインと苦労の末に完成させた夫婦の共作なのに
それまでも補助金欲しさに壊しに来たあいつが心底クズに見えます
何度引っ越しさせるのか
ここでわたしも思いました
なぜヨウティエは引っ越しを拒まなかったのかと
細々とでも農業をしながらあの家で
クイインとの思い出と暮らす道をなぜ選ばなかったのか
可能な限りの控えめハッピーエンドからも
どんどん遠ざかって行く…
ヨウティエが去った家に
聞き覚えのあるベルの音が近づいてきて
ロバのお耳が見えた瞬間
こちらの感情が溢れてしまいました
わーん

せめてヨウティエと再会させてくれたら
こちらとしては少しは気持ちが晴れたのに
監督〜

粗末な家に住み
毎食同じ具なし饅頭+具が無さそうな汁をすすり
お風呂はたまに入る川…
冬はきっと入らない
人権の概念もなく
ヨウティエとクイインが最下層だとしても
疑問も抱かずこのような暮らしを営んでいる人々が現代の中国においてもそれなりの数存在することが衝撃です
諦めることに慣れすぎてる主人公
そうさせる土壌=どん底の貧困
そんな彼らをおそらく救済するつもりがない国…
救いがない
ヨウティエの意志など関係なく勝手に用意された現代的なコンクリートの住まいで
クイインもロバも畑もないヨウティエが幸せになれるはずがないよー😭
具体的に何の話だったかを忘れてしまったのですが…中国の人がやらかした
おそらく相当非常識な失態についてコメントを求められた中国の外務省報道官の返しが
「中国は広いですから」
だったことを覚えています

国のトップに近い立場の人の発言としてインパクト大でした
🌱 🌱 🌱
非現実的な煌びやかな映画も好きですが
恵まれない境遇に生まれ
他の生き方を知ることもなく
淡々と生きて働いて華やかなことなど何も起こらず死んでいく人々の姿を掘り起こしてくれる作品にまた出会いたい

観たあとのどんより感は悲しいから苦手なくせにあえて経験値を上げるのは嫌いじゃないかも
ロバくんの姿を追う目的で2回目を鑑賞
見切れているのも含めてけっこうな時間登場していて完全に家族の一員でした

もっと悲しくなりました

ではではまた
